Wow! Sta.

Niigata
写真 © Koichi Satake
 
 
写真 © Koichi Satake
 
 
写真 © Koichi Satake
 
 
写真 © Koichi Satake
 
 
写真 © Koichi Satake
 
 
建築家
東海林健建築設計事務所
市町村
Niigata
2015

敷地は郊外と中心市街地の境界となる新潟市中央区堀之内。
幹線道路に引き寄せられ立ち並ぶ大きな店舗と大きな看板により形成される郊外のロードサイド。
新潟駅から連続する商店と戸建て住宅、高層マンションが混在する中心市街地。
幹線道路には店舗から発せられる眩しい明かりと行き交う車によって生み出される喧噪があり、道に一つ入ると街灯もない暗がりと静寂の住宅街が続く。
そんな性格の全く異なる2つのエリアの境界線上にある本計画地は、色々な速度や時間、大きさ、雰囲気が整理されずに近くにばらまかれたような場所。

この散らかった状況を調停し、繋ぎ結ぶことで新しい活き活きとした場を形成するために、

・コンパクトな界隈性とご近所感による近隣の「囲い込み」
・郊外のようなアクセスビリティと開放的な公園性による周辺の「引込み」

一見相反しそうな上記2つの方針の実現を試みている。

国内各地どこにでもある、中心市街地の問題と郊外の問題をその境界線上から捉え直し、
敷地の選定、プログラミング、建築、運用までを設計の範疇とした複合商業施設の計画である。

建物は鉄骨造3階建てであり、構造形式は丸鋼ブレースによるブレース構造。
1Fは公園のような街路の一角のような場所で食事を楽しむことの出来るレストランテナント。
2Fは庭の樹々に包まれながらデスクワークを楽しむことの出来るオフィススペース。中心にある8人掛けの大きなテーブルが色々な仕事のカタチや気軽な声掛けを受け止める。
3Fは大きく屋外に開放された、キッチンやお風呂を併設した多目的なレンタルスペース。
各階に配されたこれら異なるプログラムを立体小路で繋ぎ、小さな商店街を散策するような体験を計画し、
それら全体に木籠のような大きな屋根を架けてすっぽりと囲い込むことで出来る心地よい木漏れ陽が、そこで行われる色々な出来事を包み込む。

「Wow!Sta.」は複合的に絡み合う小さな町のようでいて、小さな公園のようでいて、石畳の露地のように奥や籠った隅がある。
人の営みや振る舞いがきちんと見える、そして聞こえる、香る。
そんな、建築というよりもむしろ「環境」と呼ばれるような場を育てていくことでこの地域の新たなアクティビティ創出のきっかけとなることを目指している。

日暮れに、建物からこぼれる行灯のような光、そしてその光を指差す子供達の眼差し、
レストランから漂うスープの香り、庭に響く上下階から掛け合う声、
これらが折り重なるここでの日常は、この計画の実効性と更なる可能性を想像させてくれる。