NICCA INNOVATION CENTER

福井
写真 © Takahiro Arai
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建築家
小堀哲夫建築設計事務所
場所
福井
2017

共同体を超えた「身体的な他者との体験」をつくる

日華化学は1941年に創立し、福井に本社を置く化学メーカー。その研究施設を建て替える計画である。計画地は住宅が並ぶ都市環境となっている。そのような環境にありながら、「世界から福井へ」人々が集まるようなイノベーションの源流となる施設にすることが求められた。

私たちは、研究者たちを「実験」という非常に個人的な活動から解放するだけでなく、他者との衝突やダイレクトな感動を身体的レベルで共有し、プロトタイピングできる実践共同体の場として、オープンであることが必要だと感じた。そこで、今まで閉じられていた実験室をすべてガラス張りにし、中心にフリーアドレスオフィスである「コモン」を配置した。ガラスの実験室はコモンとシームレスに繋がり、一体的な研究コミュニティを形成しながらスピーディーな交流を生む。
コモンは、人、自然環境、活動、道具が常に変化し続ける空間である。多種多様な人々が多目的に利用し、活発に交流できる場が新しいイノベーションセンターのあり方だと考えた。

これら2,3階のコモンは社員のためのものであるが、1階は「パブリックコモン」であることが重要である。そこには訪問者や地域の人々が日華化学の研究者と共に、自由に活動できる場として,ショーケース、カフェ、食堂、実践ラボ、ヘアサロン、ホールなどを設けた。その概念は都市における「バザール」であり、あふれる活気を街へ開くオープンな場である。

また1階から4階まで続く「通り」により、すべての建築空間をミュージアムのように、重層的に体験や俯瞰することができる。通りはあえて最短距離にはせず、研究者と他者との出会いや感動を呼ぶきっかけとなる。

研究者が集まるコモンには,自然の恵みを取り込む「ハーベスト」という概念を用いた。
自然光に満たされつつ、太陽光の熱を感じない洞窟に差し込むような光、地下水を利用した輻射空調の快適さ、常に通り抜ける卓越風を感じることが、研究者が求める身体感覚だと考えた。コンクリートの天井スリットがそれら光、輻射、風の通り道として機能しており、美しさとテクノロジーを融合した大きな環境メディアとなっている。

ファサードのルーバーは東面からの日射を抑制しつつ、配管を隠し、周辺とのフィルターになっている。この繊細なファサードは、福井の主要産業でもあり日華化学と関係の深い繊維産業を象徴する織物を表現している。この織物が,空間を柔らかく包み込みながら、福井や日華化学のアイデンティティを表現する界面となり、緑豊かなランドスケープとともに地域とつながっている。

コモンを自然の光と風で満たす

中央のコモン(オフィス)は、研究者が自然と集まり、活動が活性化するように、自然の変化が体感できる心地良い居場所づくりを目指した。

しかし、太陽光はそのまま取り込むと熱があるため、光を冷やすことを試みた。太陽の動きを計算し、直射日光を遮るスリット角度と感覚、開口部形状を決定し、福井の豊富な地下水を利用して光を冷やして取り込む仕組みにたどり着いた。具体的にはコモン上部は、平行四辺形の断面を持つルーバー状のコンクリートスラブによって北側採光とした。直射日光の当たるスラブや壁面には、地下水を利用したTABSのパイプを打込み、太陽光熱を取り除き明るさだけを空間内に採り込んだ。冬は蓄熱式の温水を流して暖房とするので送風のない快適な暖房を実現した。
壁面には夏至を挟んだ二ヶ月間だけ差し込む太陽光が現れ、季節の移ろいを感じることができるようにした。
さらに切妻型のトップライトは開閉可能で、福井平野を南北に吹く卓越風を捕え、建物東側に設えた地下水を利用した小川や、植栽により冷やされた外気を、重力換気によりコモン内に自然の良風を導いている。

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