SALHAUS建築展「共有される風景」レポート
Neoplus Sixten Inc.
22. September 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.
8月21日よりプリズミックギャラリーで始まるSALHAUS建築展「共有される風景」のオープニングに行ってきました。
展覧会概要:
『これまでの7年間につくってきた建築のことを振り返ると、それらは私たち3人が共有でき、またその建築に関わる多くの人々が共有できる風景をつくりあげるプロセスであったと思います。様々な規模・ビルディングタイプからなるいくつかのプロジェクトの展示を通して、これまでに実現した、そしてこれから立ち上がる、「共有される風景」を表現します。』
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エントランス壁面には手掛けたプロジェクトを取り巻く風景が切り取られた写真など。
SALHAUSの面々はしばしば「どのように3人でやっているのか?」と聞かれるそうで、「各プロジェクトで、3人でどういうものを作るか、進むべき方向や考え方を導くための、共有する風景や感じていることがあることを見て頂きたい。それらをしっかりと共有することで3人で大きくぶれずにアイデアを出しながら進めてくことができる。」とのことだ。
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展示室には本展の為に新たに制作した模型を含め5作品が並ぶ。全て1/50の縮尺に揃えてあるので比較しやすい。
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〈群馬県農業技術センター〉 2013年
2009年のコンペで勝ち取ったプロジェクト。様々な農業関連の研究が行われる施設で、研究の対象や研究者によって各室の要望は異なるという。そこで大らかな大屋根を被せ、中はいかようにも構成できるように提案した。
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メッシュ状に組み上げた垂木は最も長いもので23m。4mの角材をプレートで接続し、自然なたわみで屋根を形作っている。
アイデアの当初から構造設計の佐藤淳さんも携わり、佐藤さん自身も初めての試みとして今までにない美しい屋根を実現させた。
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〈陸前高田市立 高田東中学校〉 2016年竣工予定
2012年コンペで勝ち取ったプロジェクト。東日本大震災で被災した3つの中学校を統合し、高台に造成された敷地に新築する。
手前はグラウンド。
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部分的な断面模型。地域住民を交えミーティングを重ね、設計を進めながら生徒達とのワークショップや計画説明会も度々開き、子どもも自分達の学校づくりに参加した。
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ごく最近の現場の様子では体育館の基礎を造っており、2016年の3学期の使用開始を目指す。生徒が少しでも早く新しい学校に通えるように工事は急ピッチで進められている。
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カーブを描いた大屋根は高田東中学校(奥)でも採用した。
農業技術センター(手前)での経験を活かし、新たな挑戦も試みている。
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エントランス裏側には3つのプロジェクト。模型とパネルが向かい合って展示されている。
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〈扇屋旅館〉 2012年
80年以上に渡り増改築を繰り返してきた駅前旅館の再生計画。
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既存の宿泊・宴会、新たに計画するカフェ・オーナー住宅といった様々な機能と種々雑多な建築群を、中庭を核にして一気に再編する。この地を訪れる人々と地域住民が出会い、地域活性化の起点となることを目指している。
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〈tetto〉 2015年
8戸の賃貸住戸と集会所からなる木造集合住宅。
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里山の面影を残す敷地に、重層長屋とすることで、北斜面の敷地で各住戸に南側の採光と北側の眺望を確保する。軒を大きく跳ね出した大屋根が、居住者全員で共有できる風景を内外に渡ってつくり出す。
>> 当ブログの訪問記事
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〈西麻布の集合住宅〉
10戸の賃貸住戸とオーナー住戸からなる集合住宅。
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全ての住戸が玄関先にメッシュスクリーンで囲われたプライベートテラスを持つことで、共用部に対して玄関を開放し、2方向からの採光と通風を確保している。共用部から住戸の隅々までを連続したひとつながりの環境としてつくり、居住空間を拡張するとともに、住戸と街の接続の仕方をよりなめらかなものに変えていく試み。
2014 住宅建築賞入賞作品 >> 当ブログの記事
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レセプションで用意されたケータリングのフィンガーフード。円形の器にはレンズ豆のパテ。
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左から安原幹さん、日野雅司さん、栃澤麻利さん。
3人の師匠である山本理顕さんから会場に祝辞のメールが入った。「以前tettoを見学させてもらい、『ここに住みなさい』というこのとない、住み手の事を考慮した素晴らしい建築だと感じた。『(私の対極である)もう一方の建築家として』これからも頑張って下さい。」といった内容で会場の笑いを誘った。
会期:2015年8月21日(金)~ 2015年9月16日(水)
会場:プリズミックギャラリー
詳細:www.prismic.co.jp/gallery
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