進藤強による中野区の「ミナミダイノナガヤ」

Neoplus Sixten Inc.
1. 6月 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積117m2、建築面積59m2、延床面積169m2。RC造3階建て、5住戸の長屋だ。
敷地は通りから共有の私道を入った奥。

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 各住戸はメゾネットないし、トリプレットで、入れ子状に組み合わさりながら構成されている。

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1号室。玄関を入るとまず螺旋階段が目の前に。その奥が水回り。

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 ユニットバスではなく広めのバスルームが設えてある。

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2階はほぼ階段室のみ。「植物を沢山置いてもらうような雰囲気のスペースです。」と進藤さん。
上部にはつり棚も設置されているが、外部に面しているので外に対しておしゃれな収納やディスプレイが求められそうだ。

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3階。コンクリートと小上がりのフローリングが半々。外の路地から、路地と同色の玄関、螺旋階段、2階、3階のコンクリート部分までは連続する半屋外+土間のイメージで、そこから小上がりで居室に上がる、といったストーリー。

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“居室” 側から見る。

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 3号室はインパクト大。螺旋階段の開口と同じサイズの穴が天井に開いていた。

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謎の穴は2階に上がってみるとこのように。

photo: BE-FUN DESIGN

1階は左手の水回り位置が共通で、その壁以外は乾式の界壁になる。
これは将来リノベーションしやすいように作っておくべきと考えからだ。この建物は縦・横・奥に間取りが変えられるフレキシブルさを備えている。

photo: BE-FUN DESIGN

同じく2階、3階も実はワンフロア。
「土木工事的な打設」をしたという進藤さん。配管の埋設も極力減らし、界壁にコンクリートを使わないことで軽く作る事もできるなど、コストを抑える工夫が至るところに見られる。

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 というわけでこの住戸では1・2階を横方向に “2コマ” 取っているのだ。

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 フロアの半分近く穴が開いているユニークさ。

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 3階は “1コマ” のスペース。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

 4号室の3階。 “3コマ” 分のスペースだが、奥が北側斜線で斜めの壁になっている。

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 5号室の2階。中央の凸部は4号室の階段室で、上は前の写真の4号室の3階。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

5号室には唯一バルコニーが備わる。
シンプルな外観からは想像できなかった変化に富んだ内部構成をもつ建物だ。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

進藤強さん。(当ブログ初の親子ツーショット)
「時と共に建物周辺の環境が変わり、ユーザーのニーズも変わる集合住宅は、20年、30年後のリノベーションのことを考えておく必要があると思います。この建物の完成はスケルトンのときで、今はこのような間取りと仕上げになっているだけということです。室内は立体的な動線で住み手の工夫次第で面白い部屋ができるのではないでしょうか。」

【ミナミダイノナガヤ】
設計:BE-FUN DESIGN
構造:なわけんジム
施工:株式会社ジーエスビルド

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