落合正行によるリノベーション「ワカミヤハイツ」

Neoplus Sixten Inc.
22. 6月 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積410m2、建築面積139m2、延床面積278m2。木造2階建て、二棟。
 

オーナーとPEA...によって立ち上げた「あだち農まちプロジェクト」の一環として、 "農がつなぐコミュニティライフ" をテーマに地域コミュニティの創生を目指していく。
棟を繋ぐ看板はそのまま流用。

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築39年、8住戸のアパートは近年空室が目立ってきていた。建て替えや、土地の分譲なども検討したが、オーナーのご家族が大事にしていた建物・土地を残しながらリノベーションすることを選択した。
 

そして賃貸住居として6住戸、1住戸分にシェアオフィスと、1住戸分のラウンジを設けた。

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1階は2階と同様に腰壁がついたバルコニーになっていたが、腰壁を取り払い前庭と連続させテラスのようなロッジアのような空間が生まれた。
 

前庭には既に畑が耕され様々な野菜が植え付けられており、今後入居者と手入れをしていきたいそうだ。

またオーナーは近所に農場も所有しており、そちらを本プロジェクトの第二段としてソーシャルファーム(貸し農園)としてコミュニティに活用していく。

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 1住戸分をコミュニティの中心となるラウンジとしてコンバージョンした。ラウンジは定期的な収益を上げられないリスクを伴うが、付加価値スペースとして期待される。

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棟と棟の間には “路地庭” を設け、単なる通路から住人たちの出会いの場に。

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建物の周りにはランドスケープデザインのLIデザインアソシエイツにより20種以上の草木が植えられ、その多くは食べられる実を付ける。

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ラウンジ内はコンクリートタイルによって半分以上が土間になっている。
 

小上がりのデッキスペースではプロジェクターの投影も可能。左奥にはキッチンも備わり、様々なイベントで活用されるだろう。

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このラウンジは、住戸・シェアオフィス入居者の利用は、制限内で自由に利用できる。

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裏側に回って各戸へ。階段は老朽化していたので補修し、踏面をグレーチングにすることで暗くならないように配慮してある。

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 1-Bシェアオフィス。
 

桧フローリング部分に4席のデスクと、モルタル部分にミーティングスペース。
欄間や砂壁、柱、敷居、鴨居はそのまま残されている。

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モルタル部分は床を下げ天井高を取り、土間のような雰囲気に。

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1-Aの住戸。1階の各戸は同様に土間仕上げになっているが、サッシュもそのまま使う事を選択したので、掃き出しで外部に連続はしていない。

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キッチンの位置はいくつかのタイプがある。

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 2階へ上がって2-B。
 

左に見えるのは下足入れ。奥に洗面台と洗濯機置き場。左奥に浴室。中央に見える扉は右の居室の扉。

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リノベ前の写真では、下足入れの位置は同じ。洗面台が無く奥に和式水洗トイレが覗いている、、、ということはトイレがどこかに移動したことになる。(写真:PEA...)

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居室へ入って奥から見返す。1階とは異なり天井を梁まで上げ、天井高を取っている。
 

キッチンは床の間だったスペースに収まり、右の押し入れを開けると、、、

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トイレが現れた(!)

リノベ前は洗濯機が外置きだったが、近頃はそうもいかないので室内に置くことになる。すると建具は基本現状維持であることから、こうならざるを得ないタイプが生まれる。位置的にはなくもないだろうが、引き違い戸と天袋で一気にユニークな存在へ。

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天井を剥がすと出てきたやんちゃな施工跡はそのまま “味” にした。
 

建物全体は要所要所に構造用合板でパネル式の耐震補強してあるのでご安心を。

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2階同志は路地庭を挟んでこのような雰囲気。

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 1-D。
 

1-Aでは土間がキッチンだったが、ここではリビングに。旧家の広い玄関のようにも見えるし、農家の土間にも見える味わい深い空間だ。そのまま残した砂壁も各戸に。

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落合正行さんは日本大学理工学部まちづくり工学科にも勤める。「農を通じて住人同士、ご近所同士、そして地域が互いに補いながら緩やかに繋がる。そんなことを目指すプロジェクトのスタートです。」

【あだち農まちプロジェクト】
詳細:http://adachi-noumachi.com

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