角花

Naoya Kawabe
19. 6月 2020
All photos: Akinobu Kawabe
都営大江戸線「落合南長崎駅」から徒歩3分の目白通り沿いに建ち、1階にカフェ、2階にスタジオ、1~4階の9区画がホテルと賃貸。
路地側では南北に建物ボリュームが分節され、細い路地に対して圧迫感がないよう配慮。隙間は共用部となっている。
表に戻りカフェへ。前面には砂利が敷かれ、エントランスに向かって洗い出し仕上げのアプローチが小さな橋の様に見える。右手にはテイクアウト用の受け渡し窓を設け、通りとの関係をつくっている。
1階「角花カフェ」。元々部屋の4/9区画をホテルとして運用する計画であったが、折からのコロナ禍によりホテルを2/9区画に縮小し、様子を見ながら徐々にホテル区画を増やしていく予定。ここはオーナーが運営するカフェ兼ホテルロビーとして機能する。
右側にはこの後テーブル席が並ぶ。
将来テナントとして用途が変わった際、開口を大きくすることも出来るように、通り側は中央部のみ構造壁で両側は雑壁となっている。
カウンター席の天板は、オーナーが保有していたケヤキの無垢材を使用した。
日中はカフェ、夜はバーとしての営業を想定しており、建物利用者と地域住民の自然なコミュニケーションが生まれるよう、共用部からも出入りが可能になっている。
共用部。地上から4階屋上まで路地が入り込んだように空間が垂直に連続する。
このオープンな共用部が各用途区画(カフェ、スタジオ、ホテル、賃貸)に接続されており、専有部の領域を越えた関係が横断的に発生し、利用者の活動が建物から街へと広がることを期待している。
カフェの裏口から共用部を見る。
1階共用部は、街と繋がり開放されながらも利用者にとって落ち着いた場所となることを意識した。
3階共用部。自然素材(杉板型枠、天然貝石、モルタル)の利用は共通する。専有区画の凹凸や吹抜け、床の出、階段位置はずれながら各階が繋がり、あえて単純さを排除した。
2階共用部からスタジオを見る。
2階スタジオ。カフェの多人数利用(子連れの団体など)や、予約席として、イベントスペース、オーナー主催のフラワーアレンジメント教室、ワークショップスペースなどとして多目的に利用され、そのアクティビティが街にも溢れるよう、大きく開いたコーナー窓とした。
102号室(24m2)。各部屋には障子を用い、落ち着いた柔らかな光が透過する玄関周りのスペースを演出。
玄関扉を開け放つと、玄関、作業(調理)、動線が町家の通り庭のように共用部と繋がる。
裏庭も使えるようにデッキのテラスを設えた。
各階の界壁も、将来用途の変更が求められた場合、一部開口が可能だ。
201号室(18.6m2)。共用部に向かってバルコニー越しに開いた。
303号室(42.1m2)。玄関やキッチン周りの動的なスペースはタイル貼り、LDや寝室の静的なスペースはフローリング貼りとした。
街路樹による目隠しと15mの接道幅員を活かし、南面の通りへ大きく開いた明るいLDK。
401号室(38.6m2)。玄関と居室の境を緩やかに仕切る背の低い家具的な障子と、外壁に転写された杉板型枠が室内に引き込まれたような杉羽目板壁が取り合う。
中央に水回りを設け、その外周部に寝室、LDK、フリースペースを並べた明るい回遊性プラン。
共用部の吹き抜けを見下ろす。光や影、風、植物の揺らめきが縦横に感じられる。
植栽も設え、小さな公園のようなルーフバルコニー。

「『角花(すみか)』は、角地に咲く花として、周囲や利用者の日常生活を彩る居心地の良い場所を目指して名付けました。角には2本の線や3つの場あるいは面が出会う、交差するという意味があります。四角い建物形状と、それを柔らかくする植物や自然素材、利用者の活動、住処を表すことができたように思います。」と川辺直哉さん
Copyright: Kawabe Naoya Architects
Copyright: Kawabe Naoya Architects
【角花(すみか)】
設計・監理:川辺直哉建築設計事務所(担当:川辺直哉、占部将吾)
構造設計:多田脩二構造設計事務所
設備:酒巻設備設計事務所
企画:リネア建築企画
施工:渡邊建設
主要用途:共同住宅、ホテル、店舗、スタジオ
規模・面積:地上4階、敷地面積167.54m2、建築面積125.16m2、延床面積 366.91m2
構造:鉄筋コンクリート造
 
Posted by Neoplus Sixten Inc.
 

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