てぞーろ保育園

Kensuke Aisaka / Aisaka Architects Atelier
14. febrero 2020
All photos by Neoplus Sixten Inc.

相坂研介設計アトリエによる福島市の認可保育所「てぞーろ保育園」。敷地条件を読み取り工夫を凝らすことで、山を望む広い園庭と回遊型の全体が遊具のような園舎を実現。[Tesoro Nursery by Aisaka Architects Atelier]

敷地は福島駅から車で10数分の住宅地。ファサードは南に面する。
限られた敷地に園児90人を収容するために、当初3階建ての園舎を求められたそうだが、それでは窮屈な園舎と園庭になってしまうため、相坂さんは西から北にかけてあった私道を敷地として合筆したうえで、従来通り車路として確保しながらピロティ化し、その上を水平方向に床面積を広げ、2階建てのボリュームとすることを提案。
園名の「てぞーろ」とは、スペイン語のTesoroで、「宝物」という意味だそうだ。
園舎は木造だが、RCの塀により “守られている” 姿とした。閉鎖的にならないように所々円い孔が開けられ、園児の気配を外に、或いは園児に外の気配を感じられるよう配慮した。
右奥には小さな既存園舎が見えるが、そのため左奥の車路を存続させたのだ。また右手の路地は奥の既存園舎の接道路及び、新園舎への歩行登園動線として新規に確保した。
北側から。RCの塀は南側からリズミカルな抑揚を伴いながら一筆書きで外殻を成している。その上に白いガルバリウム張りのボリュームが乗る。
ピロティから園内へ。園舎は大きなボリュームをできるだけ柔らかく見せるデザインだ。
奥は駐車場で、かつ既存園舎へL字型に繋がる。
回り込んでエントランスホールへ。実はRCの塀は途中から木造のフレキシブルボード仕上げに切り替わりRCを表現している。RCのまま2階に持ち上げると重量が増えすぎるためだ。
広々としたエントランスホール。そのまま園庭に連続しながら各保育室へ、右手は屋内の階段室へ。
園庭。中央に園庭を配置した立体回遊動線が現れる。2015年に手掛けた「あまねの杜保育園」を見た建て主に希望された構成だ。
園庭から望めるのは信夫山(しのぶやま)といい、山々に囲まれた福島盆地の真ん中にぽつんと取り残されたような、福島市民の憩いの場、且つシンボル的な山で、これを園の借景に取り込まない手はないと考えたが、要望ではこの正面(東)に3階建ての園舎が山を塞いでしまう格好だったため、園舎を西側に寄せ山に対して開く構成を提案した。
南の2階に見えるのはひな壇テラスと呼ぶスタンド。こちらも「あまねの杜保育園」で好評なオプションだ。信夫山を背景に掛かるこの大屋根とのコントラストは子どもたちの記憶に刻まれる風景となることだろう。
階段下を利用した遊具置き場。その左に高さ違いの水栓が3つ並んでいるのが愛らしい。
行き止まりのない立体回遊動線。
サブエントランスの外側から。
1階には乳児保育室や、共用のランチルーム、調理室。2階には幼児保育室、学童保育室、遊戯室、保育士控え室などが配される。
右手は滑り台の階段だが、避難にも利用できる。
北東の角には砂場、そしてボルダリング壁と滑り台。上がったり下がったりの箇所が至るところに配されている。
南東の角。サブエントランスから登園した2階利用の園児は、こちらの階段を利用する。
1階板張りの部分はランチルーム。
ランチルーム。保育室とは別の食堂で、2歳児以上が2交代で利用する。屋内からは通じていない離れのような室。
隣(奥)の調理室から引戸付きのカウンターで繋がっており、厨房から直接配膳ワゴンが現れる仕掛け。
保育室とは違った雰囲気に。
保育士にとっては別部屋で食事を採ってもらうことで、保育室を掃除したり、お昼寝の準備をすることができるメリットもある。
調理室。食育の観点から園児が覗き込むことができるように、床レベルを320mm下げてある。
0歳児保育室。
1歳児保育室。
2階。回遊できるブリッジを園児が飽きることなく走り回る姿が想像できる。ブリッジの奥は広場になっており夏場はプールを広げられる。
ひな壇テラス。中庭での運動会やイベントを見下ろす日除つきの観覧席としてはもちろん、日常的には園児の遊び場、保育士休憩の場、保護者同士の語らいの場などとして多用途に想定されている。
ブリッジの床は現状FRPに塗装のみの仕上げだが、将来的にはウッドデッキ張りを目指す。そのため事前に木材に近い色彩としてある。
階段室側から室内へ。
2歳児保育室。中庭に面することできない代わりに西隣地の駐車場から視線が抜け、トップライトも併せて光量を確保している。
3歳4歳5歳児保育室までトイレを介して保育士の視線が連続する。
3歳児保育室。照明は一部を除いて間接照明をメインとしている。
4歳児保育室。園児や保護者の出入りはブリッジ側から。
5歳児保育室。年齢による活動量の増加に対して空間の気積を大きくするのは大切だそうだ。一時保育の利用がある場合引戸の間仕切りを使用する。
遊戯室。南北の開口は、近隣の住宅は隠しながら信夫山の稜線が屋根の勾配と繋がって見える。この日は式典用に椅子やテーブルが並んでいたが、通常はお昼寝にも利用される。
屋上。右のボリュームは階段室の塔屋。塔屋を挟んで広いスペースを確保したので、今後ミニフットサル場や、菜園になることなどを期待している。
屋上から。
相坂研介さんと、担当の飯坂啓幹さん。
「福島市民に愛される信夫山を景観として取り込むべく東に開いた構成で、内外に渡る行き止まりのない回遊動線に、滑り台やボルダリング壁、大小の階段がとりつく巨大遊具のような立体的な園舎としました。竣工した今はまだ完成形ではなく、園舎の外部空間にはまだ余白があり愛着を持っていただきながら、園を成長させていっていただければと思います。」と相坂さん。
【てぞーろ保育園】
設計・監理:相坂研介設計アトリエ
構造設計:金箱構造設計事務所
設備設計:森村設計
照明設計:コモレビデザイン
サイン:morld
施工:古俣工務店
構造・規模:木造2階建+塔屋
面積:敷地面積1,252.83m2、建築面積748.60m2、延床面積962.14m2。
 
Posted by Neoplus Sixten Inc.
 

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