田根剛展 「未来の記憶」レポート/東京オペラシティ アートギャラリー

Neoplus Sixten Inc.
19. octobre 2018
Photo by Neoplus Sixten Inc.

10月19日より東京オペラシティ アートギャラリーで開催の「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building」内覧会に行って来ました。

フランスを拠点に活動する建築家・田根 剛/Atelier Tsuyoshi Tane Architectsの、美術館における初の個展開催である。

TOTOギャラリー・間での同時開催の本展は、「Archaeology of the Future ─ 未来の記憶」を共通のテーマに、田根氏の密度の高いこれまでの活動と、建築は記憶を通じていかに未来をつくりうるかという挑戦を紹介。東京オペラシティアートギャラリーでは「Digging & Building」と題して、場所をめぐる記憶を発掘し、掘り下げ、飛躍させる手法と、そこから生み出された「エストニア国立博物館」「古墳スタジアム」といった代表作や最新プロジェクトを大型の模型や映像などによって体感的に展示する。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

オープニングの挨拶をする田根剛氏。「二つの展覧会の同時期開催、パリと東京の時差など、数え切れない困難を乗り越えこの日を迎えることができました。事務所スタッフ、東京オペラシティアートギャラリーの皆さん、そしてクライアントなど多くの方々に支えられた」と途中涙で言葉を詰まらせた。「展覧会をつくるプロセスを通じて、自分自身これからどこに向かうべきなのかという未来を考える良い機会にもなりました」

Photo by Neoplus Sixten Inc.

建築をつくる際に、まず考古学者のように遠い時間を遡り掘り起こし、場所の記憶からはじめるという田根氏の創作の方法を示してくれる本展。入口では京都のプロジェクトで使用した古材をディスプレイ。本展の会場構成にも用いられている。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

ギャラリー1。田根氏がどのプロジェクトにおいても実施するイメージとテキストを使ったリサーチの手法を、天井高6mの空間を使って展示。古代から未来へ向かう記憶を「IMPACT 衝撃は最も強い記憶となる」「COMPLEXITY 複雑性に記憶はない」「CLASSIFICATION 記憶は整理される」「ACCUMULATION 記憶は蓄積を繰り返す」など12のテーマで掘り下げる。

Photo by Neoplus Sixten Inc.
Photo by Neoplus Sixten Inc.
〈エストニア国立博物館〉2016

映像:藤井光

Photo by Neoplus Sixten Inc.

映像を見終えてギャラリー2に移動すると目の前に1/50のエストニア国立博物館の巨大模型が現れる。幅2m、長さ10m。スタッフが4ヶ月間かけて制作した。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

エストニアの民族の記憶を継承するように軍用滑走路の延長線上に博物館を計画。内部には無数のパブリックスペースを配し、民族品の収集・展示・保存を超えた21世紀のナショナルミュージアムを目指した。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

コンセプト模型。旧ソ連に支配される受難の歴史から、ゆっくりと大地が隆起し、空へ向かって延びていく記憶を未来へ繋ぐ建築。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

ギャラリー2には代表作計7つのプロジェクトが、コンセプト模型や参考にした資料や素材などと共に展示されている。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

それぞれのエリアはあるものの、ゆるやかな動線で境界のない世界観を表現。古材や歴史的資料が点在している様子は発掘現場のイメージ。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

〈新国立競技場案 古墳スタジアム〉 2012 設計コンペ最終選考案
敷地は明治神宮の外苑である。外苑は文化とスポーツ振興の場として東京の未来へと開かれていたが、時代と共に本来の場所の意味を失いかけていた。そこに緑溢れ、人々が集まるスタジアムを提案した。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

苔は本物(!)。定期的に水やりをして会期中大事に育てていくそうだ。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

下から潜ってスタジアム内からの見上げを疑似体験できる。

Photo by Neoplus Sixten Inc.
Photo by Neoplus Sixten Inc.
Photo by Neoplus Sixten Inc.

〈10 kyoto〉進行中
京都十条で計画中の複合施設で、十字型のピラミッド型の建築。京都で解体された木材を集めて集成材を作り、それを用いて建物全体を覆うという古き財産を集め新しい文化に変えるプロジェクト。

Photo by Neoplus Sixten Inc.
Photo by Neoplus Sixten Inc.

〈A House for Oiso〉 2015
3500年前の縄文時代から人が暮らし、中世には宿場町、昭和には邸宅の並ぶ別荘地と変遷してきた大磯に建つ。縄文=竪穴、弥生=高床、中世=掘立柱、江戸=町家、昭和=邸宅と歴史を統合したような住宅。田根氏が初めて設計した住宅である。

Photo by Neoplus Sixten Inc.
Photo by Neoplus Sixten Inc.

〈Todoroki House in Valley〉2017-18

Photo by Neoplus Sixten Inc.

最後のコリドールではDorell.Ghotmeh.Tane/Architects時代のものを含む100を越える田根氏の全活動を紹介する年表(すべて紙に見えるがよく見ると映像資料がある)。

【田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building】
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2018年10月19日〜 12月24日
詳細:https://www.operacity.jp/ag/index.php
 
連携企画
【田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research】
会場:TOTOギャラリー・間
会期:2018年10月18日~12月23日
詳細:https://jp.toto.com/gallerma/ex181018/index.htm

Autres articles dans cette catégorie