成瀬・猪熊建築設計による「経堂のカフェ併用住宅」

Neoplus Sixten Inc.
8. April 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積145m2、建築面積57m2、延床面積101m2。木造2階建てのリノベーション。大きくセットバックしながら建つ姿は都心ではなかなか見られない光景だ。

photo: Narukuma

既存状態はこちら。築50年以上が経過し数年間空き家だった。ご覧のように敷地と建物の関係、建物のシルエットもそのまま。

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躯体は補強しつつほぼそのまま残し、1階がカフェになるように大きく開口。コーヒー焙煎機の煙突が延びるため、2階の開口位置を右にずらした。左のアプローチは住居用玄関へ。

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カフェ「FINETIME COFFEE ROASTERS」。カフェ部分は36m2程。一杯ずつ丁寧に淹れてくれるコーヒーとエスプレッソと、ちょっとしたフードメニューの提供のためこじんまりとした客席が10席と奥にプラスアルファ分。

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通りからもオレンジ色で存在感を示していたのがアメリカはDIEDRICH(ディードリッヒ社)の焙煎機。
 

このモデルは2リッタークラス乗用車位の値段で、重量は400kgあるとか。

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客席を奥に進むとスリット状の吹き抜けが現れた。2階との関係性を緩く繋ぐ装置であり、トップライトからの光も導かれる。
 

梁は強度アップのため大きく新しいものに組み替えた。

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壁に設置されているのは浄水器。各種機器がそのままインテリアとなっている。

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 奥は南面でテラスを設えた。この奥のスペースは店舗とするか、住居として使うかは住みながら決められるようになっている。

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住居側のエントランスへ。土間空間が南北を通る。

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奥から振り返る。

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2階へ。柱や梁が軽快なリズムを作っており心地良い。
 

手摺は既存のもを流用した。

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2階LDK。既存では階段が反対側にあり、その横に廊下を配し、手前から洋室、和室、洋室と並んでいたようだ。柱の位置がかつての間取りを想像させる。
 

金物やブレースで各所を補強してあるのも見て取れる。

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ダイニングからは、冒頭の外観写真で見えた大きなヒマラヤスギを借景として利用

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リビングエリア。昔の住宅の小屋裏からよく現れる丸太のままの梁。強度を見ながら既存と新規の架構が入り混じる。

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先に述べたトップライトはこの位置に。カフェの一番暗くなる部分に開けてある。
 

右手壁面の “仕上げない風仕上げ” は吹き抜けを介して1階から連続する。

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ソファの背後が光と空間の通り道である吹き抜け。厳密にはアクリル板で遮断してあるので、カフェと直接通じてはいない。

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寝室。開口の位置を動かしたので柱が中央に現れた。

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 新旧が入り混じる軽やかでありながら味わい深い空間。
 

左上に見えるスチールのレールにLED照明が仕込んであり、長手方向一直線に間接照明として貫いている。

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内覧会後オーナーの近藤剛さんが焙煎機を動かしながら機械を説明して下さった。
 

近藤さんはエアロプレスの日本大会第3位だという。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

猪熊純さん(右)と、担当の長谷川駿さん。木造のリノベは今回で初めてだったという。
「お施主さんは、既存の雰囲気を残した佇まいを望まれたのでリノベーションを選択されました。住居とカフェという異なる要素を『切り分けつつ共存させる』というテーマのもと、全体の構成からマテリアルに至るまで拡張した空間設計を考えました。」

【FINETIME COFFEE ROASTERS】2016年6月29日オープン
https://goo.gl/2X40aF

設計監理:成瀬・猪熊建築設計事務所
構造設計:高橋建築工房
施工:山内工務店
コンサルティング:株式会社リビタ

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