高須の家

広島県
写真 © Toshiyuki Yano
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建築家
小松隼人建築設計事務所
場所
広島県
2022

【風を導く配置 風を調整する所作】
広島市の西部に建つ住宅。もともと60年前に平屋住宅が建っていたが、その30年後に増築を行い大きな一棟へと変遷していた。この度は増築 部分を残し、築60年の棟を切り離して新たに建て替える計画である。敷地は広島市内では稀な広大な敷地で東西に長く、南には先代から受け 継がれてきた日本庭園が鑑賞できる。新築棟に親世帯、既存棟に子世帯という二世帯が暮らす構成で、この場所が培ってきた時間と環境を継承 しながら、新たな風を吹き込む住宅を目指した。
新築棟はどの諸室も庭園側に開くように計画すると南西に開いた平面計画となり、南東に開く既存棟と対称の配置が導かれた。敷地全体を俯 瞰すると2つの棟が庭園を包み込むような配置となる。互いの棟は風道をつくるために十分な隙間を開け、そこに庭園の新たな要素としての中 庭を設けた。中庭は庭園との自然な繋がりをつくる植栽を選定し、庭を散策できる回廊1を配置して棟間を繋いでいる。既存棟の一部は客間と して改修を行い、手前の濡れ縁を新築棟まで連続させ、深い軒に守られた外部の回遊動線をつくった。建主は濡れ縁を歩いて庭園と中庭の緑を 楽しみながら客人を案内しているそうだ。
南西に開いた平面計画をもとに、濡れ縁から入る風を2階の諸室まで通すことで空気循環を促し、季節変化によって主室に冷気と暖気を溜める 空気滞留もつくりたいと考えた。まず各階の小屋裏をなくし、屋根勾配なりの勾配天井とする。この1階の勾配天井と2階の床のずれによって 生まれた隙間に可動式のルーバーを設置すると、2階の回廊2は空気調整室となり、窓を開放すると温度差換気により濡れ縁からの風がルーバ ーを通り抜ける。またルーバーを閉じることで2階との気積の繋がりを留め、主室の空気を滞留させることができる。南からの採光は濡れ縁か らだけでなく、中庭からの穏やかな光を取り込むと共に、2階の回廊2から差し込む直射光を可動ルーバーに通過させて穏やかに取り込む。空 気同様にルーバーの開閉で採光量も調整することができる。
敷地の南側の日本庭園と北側に配置された建築という構図に中庭を差し込むことで、東西に流れる風が南北にも抜け、両棟の住環境が豊かに なった。ゆとりある周辺環境が細分化されていく現状の中で、敷地内で完結することなく周辺全体に風を届けるための大きな緑地として地域に 貢献してほしいと考えている。

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