写真 © Koji Okamoto
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鹿屋の長屋

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2006


「鹿屋の長屋1」の南側に配された14戸の積層長屋である。郊外賃貸住宅という性格上、厳しいコストコントロールが要求されたため、建物としてできるだけコンパクトでシンプルなボリュームに抑えた。しかし、その中に北側アプローチの7戸と、南側アプローチの7戸をパズルのように組み合わせることで豊かで変化に富んだ内部空間を構成している。

面積や吹き抜けのとり方などによって6つのタイプがあるが、それぞれの住戸はみんな玄関前に駐車場、南側にリビング、北側に寝室を持っている。南側の駐車場は庭としても利用可能で、上階の住戸には開放的なテラスがある。それぞれのタイプに眺望、吹き抜け空間、広い庭といった異なる魅力を持たせることで、様々な居住者を受け入れる小さな町のような建物になってもらいたいと考えている。

第1期に引き続き、郊外の車中心の生活の中で集まって住むための仕組みを考えた。長屋形式の建物には管理区分の曖昧な共有空間は存在しない。しかし、コンクリートの庇で縁取られた建物南側の領域は、居住者それぞれが色づけすることのできるセミパブリックな性格を持っている。こうした領域が積極的に活用されることによって、建物に適度な表情と近隣関係が生まれることを期待している。

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