hayama huts

Akira Koyama
16. 九月 2022
All photos Neoplus Sixten Inc.
一色海岸から徒歩数分、長い間空地であった約1,000㎡の敷地には大きなクスノキが3本生えており、それをそのまま活かすよう計画した。新しく植栽も施し、建物が植物に包まれるようだ。
建物西面は2つのボリュームが見える。左はインナーガレージで、右は倉庫。手前にはゲスト用に6〜7台の車が駐車可能。 
2つのボリュームの間には鉄扉を設け、デッキ張りのステップがそのまま中庭に続いている。
中庭は全面デッキ張り。中央にプールを配し、L字型に居住部が囲む。
昔からの別荘地ではあるが、比較的隣家が建て込んでいるため、大きなボリュームとはせず平屋で(一部2階)地域の雰囲気に馴染むよう配慮した。
当初クライアントからの要望は「小屋のような建物が一つあればいい。」だったそうだが、話を進めているうちにプールが追加され、それならばたくさん友達に来てもらえるように、と次々とプログラムが増えていった。
全てのプログラムを収めると建物のボリュームは大きくなり、小屋とはかけ離れていってしまうので、左から屋外シャワー付きの倉庫棟、浴室やランドリーのあるサービス棟、中央にダイニング棟、リビング棟、、、
そして一番右の宿泊棟と5つに分棟し、大きなボリュームが立ちあらわれないようにした。
宿泊棟以外は平屋とし、近隣からプールへの視線を制御しつつ室内の気積を大きくするため棟を幾分高くしたが、外側に向かって片流れ屋根にして圧迫感を与えないよう配慮した。
ダイアグラム (©Key Operation)
棟の隙間から隣家が少し見えるが、上階からは屋根越しに従来通り海が望めるように配慮した。
外壁はケボニー化処理したパイン材と、デッキはウバ材で耐候性の高い材を用いた。
南向きの広大なデッキテラス。日差しを緩やかに遮るパーゴラは溶融亜鉛メッキ。その上にオーニングも備えてある。
建物全体は「小屋」をイメージしていることから、内外共に華美な仕上げは避けたラフな印象。
この別荘の中心となるダイニング棟。大きなキッチンカウンターや業務用ガスコンロ、アメリカ製の大型冷蔵庫など大人数のゲストに対応した設備。
ダイニングとテラスはシームレスに連続する。
キッチンカウンターとダイニングテーブルを照らすのではFLOSの "Super Line Pro”。
リビング棟へ。
ダイニング棟とリビング棟は空間的に連続させるため、鉄骨造で構造的にも一体だ。(他の3棟は木造)。境にはトップライトを設け、ルーバーの意匠を連続させることで、屋外が引き込まれているような雰囲気に。
リビング棟は40cm持ち上げ、シーンの切り替えを図ると共に段差が居場所にもなる。
ステップにはU字溝を用い、ラフな小屋のイメージを演出。
リビングも大きな片流れ屋根。東と北は隣家が迫るため開口を設けなかったのでトップライトで光量を補う。
暖炉(ビルトイン薪ストーブ)の前にはアルフレックスのソファ “GALE” 。中綿がフェザー・ダウンなので座ると体が包み込まれる。
リビング棟を抜けると宿泊棟へ。こちらは空間も構造も分離しているため、トップライトとルーバーをリビング棟側に持たせ、宿泊棟とエキスパンションジョイントで雨仕舞いされている。
この通り土間のような空間はゲストの玄関となる。
1階には個室が2室。
浴室。
2階は大部屋。
ダイニング棟に戻りキッチン。キッチンの横からバックヤード、サービス棟にアクセスできる。右奥はパントリー。
キッチンカウンターの天板には人造大理石、側板や扉はフレキシブルボードで仕上げ、床のモルタルと統一感を持たせた。屋外のキッチンカウンターはRC。
バックヤードで見付けた照明スイッチパネル。これは分かりやすい。
ジャグジー付きの浴室とサウナ。
海で遊び、屋外シャワーを浴び、プール、ジャグジーときたら、あとはサウナも欲しいところ。
4〜5人が入れる立派なサイズのサウナ。
PDF図面 → ダウンロード
小山光さんと、担当の松岡伸明さん(左)
「この計画は当初より、簡単な小屋を建てるだけで良いというクライアントの思いもあったため、機能が増え規模が大きくなったきても、小屋が集まる小さな集落のような佇まいになり、一色の風景に馴染むように意識しました。」
【hayama huts】
設計・監理:小山光+キー・オペレーション
構造設計:構造設計工房デルタ
設備設計:Comodo設備計画
施工:ダブルボックス

用途:専用住宅
構造規模:木造+S造/地上2階建
敷地面積:1047.27㎡
延床面積:309,24㎡

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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