クリスト&ガンテンバインの建築展「The Last Act of Design – スイス建築の表現手法」レポート

クリスト&ガンテンバイン展 The Last Act of Design

Christ & Gantenbein, Neoplus Sixten Inc.
23. 三月 2019
Photo by Neoplus Sixten Inc.

クリスト&ガンテンバイン(Christ & Gantenbein)はエマニュエル・クリストとクリストフ・ガンテンバインによって1998年に設立されたスイス・バーゼルを拠点とする新しい世代の建築設計事務所。スイス国立博物館やバーゼル州立美術館などを手掛けたことでも知られ、2018年にDezeenの「Architect of the Year」を受賞するなど世界からも注目されている。

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クリスト&ガンテンバイン、日瑞建築文化協会顧問の古谷誠章氏(もう一人の顧問アトリエ・ワンの貝島桃代氏は欠席)を囲み、本展のオープニングを祝うメンバー。

主催は2018年に日本とスイスの建築の文化交流を促進させるためのプラットフォームを構築すべく、スイスとの関わりの深い建築家 有志6名(石田建太朗/平瀬有人/黒川智之/金野千恵/湯谷紘介/黒川彰)により設立された一般社団法人日瑞建築文化協会。第一弾として企画されたクリスト&ガンテンバイン日本初開催となる本建築展は、東京・京都の2拠点において、 国立西洋美術館、京都工芸繊維大学などでのレクチャーと併せた開催となる

本展は、2010年から2016年に竣工した7つの建築を、長年展覧会や出版のプロジェクトにおいて協働してきたイタリア人写真家のステファノ・グラツィアーニの目を通して表現される写真をメインに、表現媒体としての立体的なドローイング、そしてアンビルトの9つの模型によって構成されている。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

写真は大小様々なサイズがあり、その中にはグラツィアーニ氏がクリスト&ガンテンバインの事務所を訪れ、スタディモデルなどプロジェクトのプロセスを自由に撮影したものが含まれている。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

面白いのは、それらの模型やマテリアルなどを撮った写真の方が、実際に完成した建物の写真よりも、はるかに大きいサイズで大事そうにフレームに入れて展示されている点。

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リンツ・チョコレート・コンピテンシー・センター(建設中)2019年秋に竣工予定。

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そして模型写真。

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吹き抜けエリア。本展のために再制作されたドローイングと模型が置かれたテーブルがある。

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ドローイングは、青と黒をベースに、線、影、色、背景、ヴォイドといった様々なツールで表現されている。

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最新の3Dプリント技術によって製作された9つのアンビルトプロジェクト。エマニュエル・クリスト氏は「これらアンビルトは僕たちにとっては同じように重要なもの」と話す。 

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シテ・ドュ・ラ・ミュージック(スイス ジュネーブ 2017)

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左から写真家のステファノ・グラツィアーニ氏、エマニュエル・クリスト氏、アソシエイトのヴィクトリア・イーストン氏、クリストフ・ガンテンバイン氏。
「本展のタイトルThe Last Act of Designは、『設計する行為は建物が建ったら終わりなのか?』という問いからきています。何年か経ったあとも、デザインという行為は写真、ドローイング、模型といった媒体を通して持続し新たな表現で形づくられているという考えを今回伝えることが出来ればと思いました」

【The Last Act of Design – スイス建築の表現手法】
東京展
会期:2019年3月20日〜3月31日
会場:ヒルサイドテラスF棟 ヒルサイドフォーラム
主催: 一般社団法人 日瑞建築文化協会 + スイス大使館

京都展
会期: 2019年4月4日〜4月20日
会場: 京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
主催: 一般社団法人 日端建築文化協会 + 京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab
+ 京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
協力: スイス大使館

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