「GINZA SIX|ギンザ シックス」詳細レポート

Neoplus Sixten Inc.
15. 四月 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

地上13階、地下6階。地下2階から地上6階と13階の一部が商業施設で、241のブランドが出店。7階から13階の一部は賃貸オフィスもある。施設名は銀座6丁目の立地にちなんだ。

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松坂屋銀座店跡地を含む街区と隣接する街区の2街区を一体的に整備する大規模な再開発プロジェクトとしてスタート。新しく大きな街区を創出したことで、敷地面積9,080m2、延床面積148,700m2、銀座エリア最大の多用途複合施設が誕生した。

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街区と街区の間にはあづま通りという一方通行の路地が通っていたが、建物で完全に覆われたトンネル状の路地に変わった。

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トンネル化された部分のあづま通りは少し掘り下げ、2階床レベルを上げずに大型車が通行できるようにしてある。トンネル両側のみゆき通りと交詢社通りからはエスカレーターで建物2階へと自然と上がることができる新しい”道”となり、銀座の賑わいを内部に引き込むような計画だ

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三原通り側に銀座の街の観光拠点ともなる〈ツーリストサービスセンター〉や、銀座初の観光バス乗降所を整備した。近年、外国人観光客の乗るバスが増加しているが停車スペース不足という、銀座の課題を一部解消できることとなり、中央通りの渋滞緩和に貢献する。

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基本設計と外装デザインは谷口吉生(谷口建築設計研究所)。ファサードは「ひさし」と「のれん」をイメージしたデザイン。建物上半分のステンレスのひさしと、下半分は世界を代表するラグジュアリーブランドの旗艦店が6店、それぞれ2~5層の店舗を構え、各ブランドがデザインしたファサードとなる。ブランドがデザインを変更したり、店舗が入れ替わった場合、容易にファサード工事ができるようモジュール化されたパネルになっており、「のれんを掛け替える」ように新しいイメージを演出することができる。
間口は115mあり、正面からはとてもワンカットでは収まらないファサード。路面店として軒を連ねる各ブランドは「のれん」のお題をそれぞれに解釈し表現しているのが見物だ。

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5丁目側から順に〈FENDI〉。ローマの歴史的建造物で、ブランドの本拠がある"イタリア文明宮” からインスピレーションを得たデザイン。
〈VALENTINO〉はデイヴィッド・チッパーフィールドが携わった。全面にメタルメッシュを使用し、日中の日差しをやわらかに、夜は店内の光を通りに落とすコントラストを生み出し、店内は “宮殿” がテーマ。

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〈VAN CLEEF & ARPELS〉。やわらかな漆黒からゴールドのグラデーションデザイン。内装にはアールデコ様式のデザイン。
〈SAINT LAURENT〉。最新ストアコンセプトである白と黒のマーブルやアールデコとミニマリズムを基調とした店内。

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〈CÉLINE〉は“地域性”と“時間”というキーワードのもと、日本の土を使った陶の造形でファサードを表現。
最後に〈Dior〉。谷口吉生がファサードも担当。衣擦れの音を呼び起こすような独特のデザイン。内装はピーター・マリノ。

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ロゴデザインは原研哉が手掛けた。

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裏側(三原通りとみゆき通りの角)にオフィス(7~12階/13階一部)入口。

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7階スカイロビー

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オフィスフロア模型。1フロア貸室面積(基準階)は都内最大級の約6,000m2。

次に商業空間へ。

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商業空間共用部インテリアデザインは、グエナエル・ニコラ(キュリオシティ)が担当。

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2階から5階まで4層吹き抜けのアトリウムの天井からは、立体的に造形した和紙を透過した優しい光が降り注ぐ。
オープニング展示として、期間限定で草間彌生のカボチャのバルーンが14個シャンデリアのように吊り下げられている。このようなアーティストやクリエイターとの積極的なコラボ展開はGINZA SIXの大きな特徴だ。

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開口には竹をイメージした格子をあしらい、レイヤーの隙間から、向こうには何があるのだろうと期待感を喚起させる。

アトリウムの様子を動画でご覧いただけます。

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壮大なスケールのフロアが単調にならないように、銀座の通りと通りの間に残るジグザグした小さな路地をイメージした共用廊下。

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雁行すことによってすべての店舗に角が生まれ、通常の商業施設のように直線的に見渡せないことで、路地を歩きながら出会う店に高揚感を味わうことができる。

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グエナエルさんが “ケーブ” と呼ぶ洞窟のような廊下には、ワインショップの〈エノテカ〉が洞窟内とその奥に店舗を構える。(B2F)

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細い光のグリッドが見えたらそこがエレベーターだ。広い店内で目印となる。
ジグザグからくる斜めのラインがモチーフのデザインがそこかしこに散りばめられている。

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エスカレーターエリアには3重の折上げ天井。

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トイレ前の空間。タイルもジグザグだ。

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所々通路に置かれているオリジナルのソファ。「ほっと一息付ける空間としてデザインしたものです。コクーンのようなプロポーションのソファに、背後に木の屏風を置いて、インティメートな空間を作り出しています。」とグエナエルさん。

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グエナエル・ニコラさん
「重要な要素は『光』で、照明の中にいるようなあたたかい空間を目指しました。日本の建築では障子や行灯でふんわりとした光を行き渡らせる工夫がなされています。日本に来て25年、素材から光まで勉強してきた今だからこそ出来た空間だと思います。キュリオシティ史上最大のプロジェクトです。そして谷口さんの建築の箱に対して、斜めのラインを強調したデザインで動きを出していきました。この吹抜け空間を見て、日本人は日本の伝統的、と感じるが、外国人は未来的、と感じるのではと思います。」

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〈LOUNGE SIX〉。新素材研究所の杉本博司と榊田倫之が手掛けた、One to One のおもてなしを体感できるプレミアムサービスを提供する上顧客のためのラウンジ。(4F)

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日本ならではの伝統的素材に現代的なディティールをほどこした独自のデザインで、新しい日本の美意識を感じられる空間になっている。
多言語対応のコンシェルジュが常駐し、GINZA SIX 内の飲食店とコラボした特別メニューの提供や、パーソナルスタイリング、メイクアップサービスのほか、文化イベントの開催なども予定。※詳細は別途掲載予定

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〈クレ・ド・ポー ボーテ〉 田根剛によるデザイン。独立後初めて完成したプロジェクトだ。(B1F)

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デザインコンセプトは、クレ・ド・ポー ボーテが叶える「Brilliant Cell(ブリリアントセル=輝き細胞)」。内側から輝きを放つ肌や輝く細胞をイメージした。

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センターテーブルの上部は取り外し可能な”セル”。自由に積み上げてディスプレイすることができる。

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田根剛さん。「ブランド独自の価値を表現しました。変化を持たせることができる什器や照明ですので、シーズンごとのニュースを発信する情報拠点として活用してもらえればと思います」

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〈Aesop〉 はトラフ建築設計事務所によるデザイン。(B1F)

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〈刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り〉 バナナオフィスによるデザイン。(B2F)
スープストックトーキョーで有名なスマイルズの新業態の海苔弁当やさん。ファサード上部に海苔を模した仕上げに注目。

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有明海で採れる僅か1%の一番摘み海苔の、さらに青海苔が付着した “青まぜ” という希少海苔を使用した究極の海苔弁。好きなおかずをトッピングもできる。

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〈CIBONE CASE〉 は二俣公一(ケース・リアル)のデザイン。(4F)
「日本に通じる精神や物理的な奥行きとその曖昧さが生む空間の連続性に着目しています。CIBONEの感性や寛容さからなる多種多様な発信を空間のそれらとシンクロさせることで更に多様で魅力的な場所が生まれると考えます。」

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「幅広い間口とそれに対照的な浅い奥行きの空間を我々は敢えて横に長く薄く切り、CIBONEの発信に乗じるように空間的な厚みと濃度を持たせました。訪れる人に一層深く親密に関わってゆくCIBONEの在り方をもイメージしています。」と二俣さん
 

館内2箇所にある、高さ約12mの壁面(リビングウォール)には、JTQ谷川じゅんじプロデュースによる、対となるアート作品を展示。

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〈Universe of Water Particles on the Living Wall〉 チームラボ
日々の日没とともに様子を変える滝を描いた映像作品。(3F~5F)

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〈Living Canyon〉 パトリック・ブラン
日本に生息する固有種も含めた様々な植物を織り交ぜ、太陽の光に照らされた崖の頂上から、影に覆われた深い谷底を表している。(3F~5F)

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4階からはこのように見える。

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〈銀座 蔦屋書店〉 はトネリコがデザインを手掛けた。(6F)

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代官山店のアート・デザインコーナーを代官山店とほぼ同面積の店舗全面に展開した、アート・デザインに特化した店舗。
“通常” の書籍や雑誌も置かれているが、奥へ進むほどディープな趣向の本になるという。

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中央トップライトを持つ吹き抜け空間で様々なイベントや貸しスペースとしても活用していく。オープニングは名和晃平、蜷川実花、杉本博司によるアートギャラリーを展開。
※詳細は別途掲載予定

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〈観世能楽堂〉(B3F)
渋谷区松涛から銀座に移転し檜舞台を移築した。1,600m2、480席。日本の伝統文化の発信拠点として、国際的な観光地である銀座を盛り上げていく。

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観世能楽堂開場記念公演と銘打ち、4月20日~23日に祝賀能、4月27日~30日に日賀寿能を開催。

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〈GINZA SIX ガーデン〉 宮城俊作によるランドスケープデザイン。
銀座エリア最大級となる、地域に開かれた4,000m2の屋上庭園。

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植栽はサクラやカエデ類など四季の移ろいを感じることができる樹種を選んだ。近代の東京において、東洋と西洋が重なり合った街であった「銀座」。この地に誕生する屋上庭園として、「自然に親しむ近世江戸の庭園文化」と、「街の賑わいを楽しむ西欧の広場文化」 の融合をコンセプトにした。水盆は水を抜くことで平面利用も可能。

【GINZA SIX|ギンザ シックス】
所在地:東京都中央区銀座6-10-1
詳細:https://ginza6.tokyo

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