葉山 加地邸(2)

Shuhei Kamiya
2. fevereiro 2021
All photos by Neoplus Sixten Inc.
 

記事(1)からの続き
フランク・ロイド・ライトの弟子、遠藤新による設計で1928年に完成し、神谷修平(カミヤアーキテクツ)が保存修復とリノベーションを手掛けた民泊施設「葉山 加地邸」。

1階には3つの寝室があったが、今回のリノベーションで2室を寝室とした。こちらはツインルームでベッドやスツールなどの家具は新規に製作。ペンダントライトや建具はオリジナルだ。
もう1室はダブル。
100年前と同じ光が差し込む空間で休むことができる。
3つ目の寝室はメークルーム兼ラゲッジルームにコンバージョン。寝室のスペースに限りがあるので、こちらをクローゼットとして使えるようにした。撮影などの際楽屋としても利用できる。
少し狭い階段を2階へあがるとライブラリーへ通じる。元はギャラリーと呼ばれていたロフトスペース。
ライブラリーはサロンを挟んで対で存在し、広さや光の入り方も異なるので、今回雰囲気も異なるよう設えた。
反対側の階段で再び2階へ。一度踊り場を設けて向きを変え各室へ。シーンの切り替えに贅沢な動線だ。ここの階段裏が玄関ホールに現れていた。
左から展望室、書斎、主寝室。右奥は倉庫。筆者の背中からもう一方のライブラリーへ。
主寝室。元も主寝室で、折り上げ天井が天蓋のように感じる。
ベッドや窓際の家具は新規に造り付けた。右手の壁はオリジナルを磨いて本来の色や木目を出した。この壁に合うようにヘッドボードや建具、家具の材(ナラ)を北海道からも何度も取り寄せ、オリジナルの表情に合うものを追求したそうだ。
ベッドの足元に明かりが灯っているが、その高さは壁の幅木に合わせてあり、しかもテーパーを取って薄く繊細に見える。
左手から浴室へ、正面奥は書斎となる。
浴室。既にリフォームされている状態を残しながら洗面台を新しく設えた。元はメインの浴室だが、神谷さんは「アトラクションとしては弱い」ので、後ほど紹介する地下階にメインの浴室を新設した。
書斎とBKF “バタフライ” チェア。
書斎を出て展望室へ。
展望室。この建物で一番高い場所の部屋で3面の開口を持ち、相模湾が望める。長く突き出す庇はルーバーであることが分かる。
展望室から。銅葺き屋根の棟に並ぶ四角いものは、屋根通気の排気口。
1階へ戻りキッチン。食事の提供はないので、宿泊者は自炊したり、ケータリングなどを依頼する。
キッチン脇の階段で地下へ降りる。かつてのセントラルヒーティング用ボイラーの一部。裏に本体があるが解体せずに記憶としてを残した。
今回のリノベーションで最も手を加えたのが地下の浴室周りだ。
倉庫だったが、神谷さんは部屋に入った瞬間にここをメインの浴室にしようと閃いたそうだ。浴槽には2〜3人は入れるだろうか。奥半分は寝ころび湯になっている。
浴槽や床には大谷石は不向きなので、同じ栃木県産の石で組成が近く密度が高い芦野石で仕上げた。
キッチン隣の女中室であった上階の床を抜いて、梁を残した吹き抜け空間とした。
浴室も洗面室(脱衣室)も新規で、現代的な設えにしながらも違和感のないように。
ライト✕遠藤からインスパイアされ、神谷さんがデザインした把手。
廊下の片隅にあるのは、ライトによるタリアセン1。
©Neoplus Sixten Inc.
©Neoplus Sixten Inc.
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改修後の見取り図
神谷修平さん「遠藤新の作品のなかでも特にライトの直接的な影響が幾何学などに現れている作品です。歴史を継承しながらも、従来の保存という枠を超えて現代のライフスタイルに合致した新たなデザインを生み出すことを目標としました。魅力的な造作やディテールの一つ一つを、どれを残してどれをリニューアルするかその判断が非常に難しかったです。」

本建築は一棟貸しの宿泊施設として宿泊可能。宿泊するこで、保存のための一助となる。宿泊料金は定員6名で、2泊429,000円〜7泊630,630円

REDIFINING PRARIE STYLEK
achi-tei house is a Prairie Style residence by Arata Endo (disciple of FLW) and built in 1928 near the suburb area of Tokyo. We take on the opportunity for the renovation of Kachi-tei house considering its aging condition. Due to its tangible cultural property status, renovation area is limited. Outdoor terrace and Maiden room are the areas which can be redesign more thoroughly. As the bath culture is very particular in traditional Japanese daily routine as it is very much alive in the modern day, we decided to transform this back space into an atrium like bath area. For the flying porch, we decided to open it up to become an outdoor terrace yet still having the connection with the indoor living room. As for the furniture design, we study for the ideology and geometry behind Prairie style, and redesign sets of furniture which can fit in this historical architecture .Furthermore, we supervised the reconstruction of the landscape surrounding Kachi-tei house.
【葉山 加地邸】
クリエイティブディレクション、インテリアデザイン、家具デザイン:カミヤアーキテクツ
設計:遠藤新(1928年/昭和3年)

用途:住宅
構造規模:木造/地上2階、RC造/地下1階
敷地面積:1129.52m²
建築面積:219.85m²
延床面積:364.74m²

所在地:神奈川県三浦郡葉山町一色1706
URL:https://kachitei.link

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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