グリーンハウス

Taketo Nishikubo
17. março 2021
All photos by Neoplus Sixten Inc.
「グリーンハウス」は既存のアパートから引き継いだもので、名前の通りにすべく平面をギザギザさせ植栽可能な地面を確保できるようにした。結果ファサードは様々な方角を向き、近隣と視線が対峙しにくくなった。また分棟にも見え、大きなボリュームで立ちはだかることもない。
接道は都市計画で、すぐに1m程セットバックし、隅切りもされるため敷地は小さくなる。その中でも住戸面積(収益)とのバランスを考えながら、できるだけ植栽面を確保した。
エントランスホールはアパートの前後を貫きながら、吹き抜けとさらにトップライトを持つ。ホール=共用部に向かって各住戸の開口があり、窓枠に窓台もつけることでニッチにもなっている。
101号室。オーナーがピラティスのインストラクターであることから、ここで教室を開いたり、住人や地域のひとも使えるレンタルペースとして運用してしていく予定。手前のカウンターは可動式で使い方を変えることができる。
片側の壁は黒板ペイント。
角部屋である101号室は、路地から前庭を介してそのまま軒下に入れるオープンな構えだ。
102号室。一方賃貸住戸では前庭にルーバーの塀を設え、プライバシーを確保。
ワンルームの手前半分を土間のような雰囲気に、もう半分を小上がりでゾーニングしている。
扉のある収納は設けず、住まい手のスタイルに合わせられるフリーラックとした。クローゼットも兼ねるため奥行きのある棚だ。キッチンのタイルは各室で異なる。
2階へ。
202号室。グリーンハウスに因んでトイレのクロスは全て異なる植物柄。
この住戸のバルコニーはエントランスホールにも面している。
隣の住戸からはこのように、ルーバーで室内が見えないように配慮されている。
203号室。こちらはキッチンと水回りが平行にレイアウト。
奥がL字型になっており、寝室スペースに。
扉はないが囲われているので1DKといえる住戸。仕切りにカーテンを取り付けられる。
ニコ設計室の皆さん(アルバイト含む)。西久保毅人さん(手前左)と、担当の吉本脩佑さん(中央)。
「『グリーンハウス』は緑溢れる場所になって欲しいという先代の願いが込められた名前だったとの事でした。そこで、最初から名前を継承する事を決め、十分な貸し室面積を確保しつつも、可能な限り植栽可能な地面を残すようなかたちを検討しました。残った地面には木々がすくすく育つ余地があり、暮らしは四方八方に向かっています。いびつな小さな家が3棟並んだような佇まいは今にも歩き出しそうです。ひとつでありつつも、それぞれでもあるような。そんなコトどっちでもいいような、正解などはないような建築を目指しました。」と西久保さん。
【グリーンハウス】
設計・監理:ニコ設計室
構造設計:桑子亮/桑子建築設計事務所
施工:宮嶋工務店

用途:共同住宅
構造規模:木造/地上2階建て/6住戸
敷地面積:201㎡
建築面積:109㎡
延床面積:193㎡

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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