Tipetto Meguro Fudomae

不動前の集合住宅(不動前の空地)

Akira Koyama / Key Operation Inc.
25. agosto 2020
All photos by Neoplus Sixten Inc.
敷地の間口が8m、奥行きが17mと細長いため前後2つにボリュームを分け、その間に供用部を配置し抜けの空間とした。さらに両ボリュームの角を入隅にした6つのヴォイドを設け、厳しい周辺環境に関わらず快適な内部環境を生み出した。
(Copyright: Key Operation Inc.)
テクニカルな話では、ワンルーム条例の対象としないため、40㎡未満の住戸を9住戸に抑え、残りを40㎡以上の住戸とした。また、必要な住戸数の確保のために奥側のボリュームを分割すると避難上の窓先空地と避難経路が分割したその両側に対して必要となるため、共用部が大きくなり求められている専有部の面積が確保できなくなる。そこで、直接道路に避難できる手前側のボリュームを2分割し、奥側のボリュームは分割せず、必要な40㎡以上の住戸とすることで、必要な住戸数と住戸面積を確保できる事業性に配慮した計画とした。
(Copyright: Key Operation Inc.)
アパートの名称は「TIPETTO 目黒不動前」。猫を飼うことができる賃貸物件はまだまだ数が少なく非常に人気が高い。ファサードはウォータージェットで表面を削って仕上げ豊かな表情を出した。
ピロティを奥へ進んでエントランスへ。外部通路として有効な幅と開放性を確保するため2階床スラブは片持ちとなっている。
窓先空地であるヴォイドが現れ、暗くなりがちな敷地中央部に光が降り注いでいる。
格子扉を開け供用部へ。供用部は東西(写真前後)ヴォイドを繋いで、抜けをつくっている。
5階からヴォイドを見下ろす。外壁に避難器具のフックキャッチが見える。
3階からはこのように見える。
中央と奥のヴォイドは隣家に対して引きを取りながら、採光と通風が十分できる様子がよくわかる。
壁には猫ステップと、窓の上にロフト、窓辺が好きな猫のために窓台を作った。開閉窓の下には猫用の “手すり” 、右上の天井には猫ハンモック用のフックキャッチ、さらに左上のロフトにあるコンセントはホットカーペットが使えるようにと、猫のための快適装備も充実だ。
 
お隣の協力があれば、敷地奥側からも一直線に表通りまで抜けが得られる。猫同士、さらに猫という共通の価値観を持つ住人同士のコミュニケーションも生まれるだろう。(窓は撮影用に特別に大きく開いた状態で、実際にはここまで開きません)
プライバシーの心配もあるだろうが、生活空間の多くは開口から内側にあるため、隣家からの視線はうまく避けられている。こちらは水回りを中心に寄せた回遊式プラン。奥の玄関から回り込んでリビング、左にキッチン、、、
キッチンから回り込んで寝室、そして右奥がまた玄関に通じる。どの空間も入隅の開口と猫の居場所がある。
複数の猫用トイレが置けるようどの住戸も水回りは広めだ。
こちらはワンルームながら小上がりで独立した部屋を作ることができるプラン。
小さめの引き戸を5枚にして、仕切らないときは空間が大きくなるよう配慮した。
1階の住戸は入隅が専用庭になっている。唯一平行に二間取れる住戸で、右の部屋の奥は小さいながら書斎として使える。
1階奥の住戸からはピロティ越しに商店街の活気を取り込むこともできる。
左から小山光さん、担当の眞鍋憲人さん、加藤春佳さん。
「建設中にコロナ禍となりましたが、設計を振り返ってみると『ポスト・コロナ建築』として重要な要素が多くあることに気付かされました。それは空地を設けたことで自然な通風が確保でき、居室は常に換気が可能であること。二人住まい用の回遊式プランでは、空間が離れているのでリモートで仕事をしやすいこと。また家で過ごす時間が長くなっても、猫と住むことで孤独を癒すこともできるのです。」と小山さん
小山さんが解説している動画。
【不動前の集合住宅】
設計監理:キー・オペレーション
構造設計:構造設計工房デルタ
設備:Comodo 設備計画
施工:中島建工
企画:アスコット

敷地面積 : 155.07㎡
建築面積 : 113.17㎡
延床面積 : 527.68㎡
容積対象延床面積 : 464.58㎡
規模 : 地上5階建て
主構造 : 壁式鉄筋コンクリート造

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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