「堀部安嗣展 建築の居場所」レポート/TOTOギャラリー・間

Neoplus Sixten Inc.
23. janeiro 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

「『建築の居場所』と名づけられた本展のタイトルには、自然との関わりが希薄になっている現代において、私たちに本来備わっている心地よい空間の記憶を取り戻し、それぞれが本来の居場所を見つけて欲しいというメッセージも込められている。」
>>展覧会概要

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3階展示室。中央には机のような白い展示台。周囲には様々な椅子が置かれ「どうぞお座り下さい」と誘っているようだ。

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上段にはアガチス材で作られた1/100竣工模型が26点。普段はスタディ模型までしか制作しないため、これらは今回の展覧会のために制作した。年代毎に形状の変遷が分かるように並んでいる。

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下段には図面冊子や、作品図録のほか、堀部さんが設計中に聞く音楽やイメージを膨らませた映画などを紹介している。何れも手にとって閲覧可能だ。

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周囲の壁面には代表作の図面や写真、模型など。

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デビュー作〈ある町医者の記念館〉 鹿児島/1995
工事が始まると現地に移り住んで現場に毎日通ったという。

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「とても地味で、こんなの作っても誰にも評価されないだろうなと思いながらも、自分に正直に設計した。」と堀部さん。

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〈イヴェール ボスケ〉 石川/2012
のどかな田園風景の中に立つカフェ併設の洋菓子店。

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壁に設置された模型は何とチョコレートでできている。オーナーの河村剛志氏が本展のために制作。

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〈竹林寺納骨堂 位牌堂・本坊・庫裏〉 高知/2013~
2016年の日本建築学会賞を受賞した納骨堂。今年、庫裏が竣工予定で、その後も境内全体の計画が進行中。
「点が線になり、面へと変わっていくプロジェクトでとても嬉しい」と堀部さん。

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土佐漆喰や土壁のサンプル。土壁には境内の土を使った。

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〈せとうちクルーズ船 guntû(ガンツウ)〉 2017
今年9月に就航予定の宿泊型の小型客船で尾道を出発・帰港地としながら瀬戸内の景勝地を周遊する予定。
 

模型の脇に置かれるスネアドラムはドラムが趣味の堀部さんのものだが、船の色に引用したそうだ。

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3階デッキには軒の深い縁側が設えており、軒先に切り取られた瀬戸内の景色を眺められる。最前部にはスイート客室。

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建築と船舶は全く異なるプロセスで作られる。船は全てのパーツを予め作っておいて、一気に組み立てるそうだ。
3階客室の切妻屋根はひっくり返して “パーツ” として作られる様子や、本展数日前に行われた進水式の様子を4階展示室の映画で見ることができる。

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左は堀部事務所の日常風景を再現。打合せテーブルや椅子は事務所のもの。

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今でも図面は手描きする堀部さん。いつも使っている製図板も置かれている。

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著名建築の平面ドローイング。写真はアアルト自邸。

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中庭へ出ようとしたところでいつものギャラ間と違和感が。30年親しまれてきた踏み石は安全のため階段に取って代わっていた。

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中庭。展示物は竹林寺納骨堂で使われている実物のベンチ。ベンチに腰掛けながら全国にある堀部建築の現場で収録された音を聴くことができる。

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4階展示室。短編ドキュメンタリー映画〈堀部安嗣 建築の鼓動〉が上映されている。

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堀部建築14作品を半年掛けて撮影し、30分の美しい映像にまとめてある。
堀部作品は映像によって、周辺の音や光がその佇まいをより鮮明に伝えてくれる。

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堀部安嗣さん。「建築に携わっていない方、建築をよくご存じない方にも、建築をとりまく人やものを分かりやすく伝えられたらと思います。お好きな場所に座って、目の前にあるものを手にとって見て、目が疲れたら中庭に座って耳を澄まして、そして4階で映画を見て、とゆっくりと寛いでいただける展覧会を目指しました。」

【堀部安嗣展 建築の居場所】
会期:2017年1月20日~3月19日
会場:TOTOギャラリー・間
詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex170120/index.htm

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