辰巳アパートメントハウス

東京
Photo © Masao Nishikawa
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Architecten
伊藤博之建築設計事務所
Jaar
2016
Verhalen
5-20 Stories

塔の躯体

幹線道路と地下鉄に隣接し、高速道路にも近接した都心の商業地における集合住宅の計画である。狭小地であるがゆえに容積を確保するには、大きな塔状比となるが、この場所の眩暈のするような騒音と振動の中では、直ちに鉄骨造を採用することが必ずしも最善とは思えず、鉄骨造とRC造を並行して検討し、大きくコストが変わらないことを確認したうえで、RC造を採用した。
RC造では、1フロア30㎡強という小さな空間の中で、柱と梁は存在感のあるものとなるが、そうした柱や梁の間を断面的にも平面的にもくぼみ(ニッチ)として捉えることで、住宅の中に身を寄せられる居場所を作ることができると考えた。柱の本数を6本にしているのは、4本にするより構造部材を小さくできるだけでなく、柱の間が人の居場所として適切なスケールになるからである。

柱や梁の寸法は、下階ほど大きく、上階では小さくなる。上層部を軽くして地震時の引抜きの力を抑えるため、構造的に導かれる寸法であるが、これを、地上の喧騒からの距離に対応して、空間の囲い方を変えるものとして捉えた。下階においては、柱の奥行きは肩幅の倍ほど、梁の段差は腰高ほどあり、それらによる深いくぼみは、共に人を包むのに十分な寸法であり、洞窟のような物量感と安心感を生む。一方、より段差が浅く柱も細い上階では、明るく開放的な架構空間となってゆく。

各階のくぼみの奥行きや高さを、身体的な寸法に応じて個々に解釈し、それらをキッチンカウンターやベンチ、ベッドスペース、机などとして使えるよう、仕上げによる若干の寸法調整を行った。一方で、決まった行為と1対1対応する機能空間であるより、最低限の設えを手がかりに、住み手がこれらの段差を能動的かつ発見的に使いこなすような、建物と生活の関係が望ましいと考えた。そのため、寝床にもなりそうな机や、椅子と机の中間的な高さのものが、躯体寸法から生まれるのであれば、その多義性、あるいはあいまいさをできる限り残し、そこでの居方を限定しすぎないことを心掛けた。

周辺は、都心であるにもかかわらず、低層の建物も多く、住宅と商業の比率も含めて、変化してゆく可能性が十分あると思われた。使い方の決まったハコではなく、そこに居るための根拠を提供することができるなら、確かな躯体には、人が寄り添い続けることができると考えた。

用途:集合住宅、一部物販店舗
敷地面積:59.49 ㎡
建築面積:47.97 ㎡
延床面積:388.28 ㎡

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