写真 © Forward Stroke Inc.
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BALCONE

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場所
神奈川
2012

「緑地を眺めながら生活することができる劇場の観覧席のような集合住宅」

敷地は駅相模原の郊外にあり、その南側には50m×60mの街区の中がそのまま自然林になっている緑地がある。まるでかつてこのあたりに広がっていた原生林がそのまま取り残されたかのような不思議な光景であった。高さ15~20mぐらいの高木が適度な距離感で林立し、下草はきれいに手入れされ、まるで里山の緑地のようでもある。周囲がフェンスで仕切られてはいるが、出入り口があり、中には犬を散歩している人がいたりする。公園ではなさそうだが、入ってもいいようである。役所で調べたところ、この緑地は個人の所有であるが、管理を市に委託され、近隣住民に開放された緑地ということであった。そうした不思議な存在感のある緑地の隣に賃貸集合住宅をつくることが要求された。

東京の都心とは違って、相模原の郊外のように地価が比較的安いエリアにつくられる賃貸集合住宅は、収益性をあげるために、工事費をいかに安くするか、貸せる面積をいかに広くするかだけが求められるため、社会資本となりうるような良質な賃貸住宅がつくられにくい土壌がある。ところが幸運にも今回のクライアントは志が高く、建築の空間に付加価値をつけ差別化することにより、良質でありながら事業性も成立する賃貸住宅のモデルケースとなることを望まれた。

隣地の緑地を最大限に活かすことを考え、全住戸が南側の緑地に面する構成となっている

全住戸からまるで別荘地のような60mもある奥行きの深い緑地を眺めることができる。

平面構成はいたってシンプルにオーソドックスにまとめられている一方で、断面構成は少し複雑である。法規的に決められた高さのボリュームのなかに、断面が異なる3つのタイプの住居をパズルのように組み合わせながら縦に重ねる構成となっている。最下階には地下1階と1階のメゾネットタイプ、最上階にはロフトをもったスキップフロアータイプ、その中間には平面的に広がりのあるフラットタイプがある。それぞれの住戸からは隣地の緑地の様々な眺望を楽しむことができる。それはあたかも劇場の舞台と観覧席の関係のようにも見えるため、建物の名前を「BALCONE」とした。ステージにある魅力的な緑地を眺めるための観覧席としての集合住宅である。

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