集の庭

埼玉
© N-tree
© N-tree
© N-tree
© N-tree
© N-tree
ランドスケープ アーキテクト
長崎剛志/N-tree
場所
埼玉
2016

 いろんな人が、いろんな時間が、いろんな形が、いろんな色が集まる庭。障害者施設である工房『集』の庭には、そんな思いが込められている。

 この庭の計画は建物と敷地を人に見立て、命を持った生きている庭をイメージすることから始まった。図面一枚、ドローイング一枚のみであったが、利用者の毎日の行動から、必然的にプランが決まっていった。建物に入らず、外で絵を描きたがる人のための壁、毎日田んぼを眺める人の腰掛、送迎を待つためのベンチ。一緒の時間を過ごす中で庭がだんだんと息づいてきた。
 プロジェクトを進めていく上で建物の表(顔)を綺麗にするのは当然であるが、大切なことは裏の日の当たらない場所にも気を配ることである。そこで最初に手がけたことは、裏の排水溝と土留めを整備し、枝を剪定して光と風を通すことであった。その目的は、建物の周りをぐるりと車椅子で回って、壁や床にみんなで描いた風景を観覧できるようにするためである。このような普段目立たない場所や、隅々まで思考を巡らせることは、この施設の受容力にも通じると思う。
 壁は、ワークショップをかさねながら、工房で製作している機織りのマフラーのイメージで、カラフルに色づけていった。駐車スペース兼テラスのコンクリート床は、利用者の独創的な絵を使ってデザインした。植栽は主木にネグンドカエデ、エントランスには口をイメージした金宝樹を植えた。パステル調、ビビットな色彩、素材の色、植物の色。いろんな色と形の複雑な調和は、この施設に漂う空気感そのもののように感じる。

 まだ未完成のようにも見えるこの庭は、日常の柄を残しながら、壁の隙間に新たな命が描き足されていく。その逞しい生命力は、訪れるいろんな人のエネルギーまでも巻き込み一体感を持ちながら成長していく。

関連したプロジェクト

  • Centillion Sofia
    DIN A4 Architektur
  • Joe and Rika Mansueto Library
    L-Plan Lighting Design
  • Terra Mineralia, Schloß Freudenstein
    L-Plan Lighting Design
  • シャングリ・ラホテル東京
    ワークテクト
  • 日本平ホテル
    ワークテクト

Magazine

Takeshi Nagasaki / N-tree によるその他のプロジェクト

舟ノ庭
東京
目白の庭
東京
雲と山の庭
山形
818 Garden
マニラ, Philippines
Homogenous Garden
ニューデリー, インド
Paradise Lost
ロンドン, Great Britain