SDC

建築家
東海林健建築設計事務所
2018

敷地は新潟県燕市秋葉町。
近くには保育園や小学校、中学校があり子供たちの声が響く、遠くには弥彦山を望む、豊かな環境。
その土地に、ママや子供たちがここでの時間を楽しみに来られる、
スタッフさん達が居心地よくついつい長居をしてしまう、
ドクター夫妻にとっては家よりも長い時間を過ごす場所だから、自分たちにとっても最高に幸せな環境としての歯科医院が要望された。

そんな思いに共感し、2016年よりとことん対話を重ね、じっくり一緒に考え、
この度、ブックストアと託児所を併設した、来院動機や使い方、過ごし方が思い思いな「公園」のように、 そしてまた来たくなる「もう一つの居場所」としての全く新しい歯科医院が開院しました。

1Fをクリニックスペース、2Fをスタッフスペースとした木造2階建て。
1Fでは消毒室やレントゲン室、カルテ庫、トイレといった機能室を建物中心にコアとして配置し、その周りに全面ガラス張りの開放的な診察室と待合スペースを、
その周りにデッキテラスを、さらにその周りにぐるりと庭を配置した。

そのデッキステラスや庭には、それらを囲い込むように大きな帽子のような覆いが架けられ、それにより生まれる「屋外のような室内のような曖昧な領域/バッファスペース」が、
雪や雨、夏の日射や冬の北西風(この土地特有の弥彦おろし)、そしてプライバシーを調節し守ってくれることで、四季に包まれた豊かな居心地を待合スペース、診療スペースにて実現.

1F、2Fも一体的に繋がる大きなワンルームの空調は、冷房は小屋裏空間に設置したルームエアコン1台で、暖房は1Fに設置した薪ストーブ1台でまかなう計画。
夏はルームエアコンで作られた冷気とロスナイにより洗浄された新鮮空気の混合を中間ダクトファンにより強制的に1階床下に送り、床を冷やすと同時に窓際のスリットより放出。

冬は薪ストーブで作られた暖気を天井にて回収し、小屋裏において、ロスナイにより洗浄された新鮮空気と混合し、中間ダクトファンにより強制的に1階床下に送り、床を暖めると同時に窓際のスリットより放出。
直接風を当てて冷やしたり暖めたりするのではなく、建物を冷やしたり暖めたりすることで生まれる輻射熱により身体に直接働きかけることで、診療台の上で口を大きく開けた無防備な患者さんにとって不快のない状態を計画。

医院の中に取り込まれた四季と時間の移ろい。
待合に設置された大きな机と沢山の書籍。
屋内外をゆるくつなぐ弱い空調。
屋内まで引き込まれた屋外のデッキテラス材。
建物の大外に架けられた大きな帽子に開けられたアーチ開口がつなぐこちら側と向こう側。
「陽の光や雨を感じられる、屋外のような室内、室内のような屋外」といった領域の曖昧性。
そんなたくさんのきっかけに惹かれ、この土地を歩き、廻る。
散歩の途中にあるリビングやダイニング、カウチや珈琲、読み込まれた文庫本と診察台。
既成の歯科医院のような一つの目的の為の施設ではなく、歯科医院である以前に「みんなの公園」であるような、そして同時に「自分の部屋」であるような、
各自の「思い思い」に応えられるタフで包容性のある、「プラスα」を楽しめる環境の提供。
そんな「医院の在り方」と「人の居方」がこのプロジェクトでは目指されている。

樹々の間とアーチを抜けて、気持ちよい風とともに今日もここには色々な人が訪れてくる。

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