Jigsaw

新潟
写真 © Future-scape
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建築家
石井大五+フューチャースケープ 建築設計事務所
場所
新潟
2006

写真:Future-scape

築25年の木造事務所を、美容院に改修した。

凡庸な建物だったが、25年間街にあったことを肯定し、既存の状態から出発しながら、新しい建築をつくろうとした。落下傘のように、それまでとは、まったく縁のない建築が、突然、出現するのではなく、過去とのつながりを持った建築である。

記憶の継承

外壁の複雑な窓配置は、既存の建築と関わるルールに則っている。

水平方向は、既存の開口部の位置を踏襲している。開口部の水平位置をそのままにすることで、既存の構造に負担を掛けずに、改修を行うことができた。

垂直方向は、この建物に固有の6つのレベル(地面、床面、窓台、ドア上枠、天井面、打上天井面)に合わせている。時間的な連続性を残し、住民の見慣れていた街並みのリズムはあまり壊さずに、それでいて、どこか新しく、そして、リノベーションされることで、街並みを向上させるような建築を目指した。

一見すると、アットランダムに開口を開けているように見えるが、実際には、既存の建物の持っていたルールを顕在化し、その組合せによりシステマティックに出来上がったファサードである。

時間による変化を映し出す空間

室内は、美容院に付き物の鏡を、積極的に建築的装置として利用している。

鏡は、外壁の窓と相乗効果を発し、単純な空間を複雑にし、時間変化により、室内の光や景観も、さまざまに移ろって行く。

さらに、床と天井も、全艶の塗装で仕上げて反射度を高め、光の変化に対する感度を上げる。室内に屋外が入り込んだような空気は、クライアントの、「戸外の雰囲気が気持ちよく感じられる美容院」という要望に対する回答でもあった。

活気の創出

外から見ると、窓で複雑に切り取られた室内風景は、鏡の虚像で分断され、更に、その奥の室内の実際の活動と重なって、複雑に見える。そのため、室内の気配が、実際以上に、増幅されて感じられる。

これは、設計前に行った、新潟の美容院のリサーチに基づいている。美容院は、商品を置いている訳ではないので、通常の店では、客のいないときには、閑散と見えやすい業態であった。

JIGSAWでつくり出した気配の増幅は、客のいないときにも、店内には、気配が満ちあふれ、いろいろな活動が行われているような錯覚の活気を感じさせる。複雑な窓配置や、鏡の効果は、他の店とは違い、つねに、閑散と見えにくいような効果をつくり出すための仕掛けとしても考えている。

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