Dual Channel House

東京
写真 © 矢野紀行
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建築家
中佐昭夫/ ナフ・アーキテクト&デザイン
場所
東京
2009

東西にリビングを持つ、トンネル状の住宅。

建て主の家族構成は、音楽家の夫+雑誌編集者の妻+子供の3人。夫の実家は「寺」で、敷地を活用して幼稚園や保育園を運営していて、夫妻はそういった家業にも参加している。

夫妻が社会的に様々な活動分野(チャンネル)を持っているため、設計当初は要望が複雑だったが、打合せを重ねてゆくと要点がみえてきた。

■要点1■
音楽や雑誌編集活動など、寺の外部へ直結するチャンネルのための場をつくる。
寺を介したチャンネルはこれまで同様に継続する。

■要点2■
プライベートスペースを、寺の境内に隣接して確保する。
境内には居住施設として庫裡があるが、そこでは完全なプライバシーを成立させるのが難しいため。

夫妻の様々な社会活動を「寺を介する/介さない」という基準で二つに整理し、トンネル状の空間の東西端部に二つのリビングを設け、それぞれの用途に割り当てた。

東リビングは寺を介さず前面道路へ直結する出入口を備えていて、夫妻の音楽や雑誌編集活動の窓口になる。あるときはパーティ会場のように、あるときは幼稚園に子供を通わせる父母向けのカフェのように、フレキシブルな空間を想定した。

西リビングは庫裡に向かう出入口を備えていて、寺を介したチャンネルを継続しつつ適度な距離感をつくるためのバッファゾーンになる。庫裡側の緑を取り込み、小ぶりで落ち着きある空間を想定した。

東西リビングに挟まれた、トンネル状のボリュームの中央部の天井を下げ、そこを最もプライベートな個室(主寝室・子供室)としている。周辺環境から程よく独立させるために窓を減らし、主要な光はトップライトから取り込んでいる。内部の壁には着色(主寝室:青、子供室:黄)を施した。

価値観が多様化する現代社会の中で、地域にとって寺がどのような存在であるべきか、問われる場面が増えている。この夫妻の寺も同様で、例えば幼稚園や保育園を運営することで地域のニーズに応えてきた。今後さらに、様々なチャンネルを吸収して地域のコミュニティスペースとして活性化して行くだろう。チャンネルを二つに整理したのは、夫妻の活動を分断してしまおうということではない。むしろ寺の活性化を目的とした、二つのチャンネルによる相互作用を誘導する準備だと考えている。

-中佐昭夫-

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