Continuing House

神奈川
写真 © 矢野紀行
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建築家
中佐昭夫/ナフ・アーキテクト&デザイン
2017
階数
1~5階

建主の奥様の生家は昭和初期に建てられた和館・洋館併設住宅で、鎌倉駅から歩いて15分ほどの山あいにある。東向き斜面に庭を見下ろす高台で、木々や草花に囲まれ、野生のリスが行き来する緑豊かな環境だ。しかし築90年が経って老朽化し、相続への対応も迫られる中で、一時は維持継続の問題に直面していた。
人手に渡って解体され、開発によって木々が伐採されると環境は一変してしまう。かといって、何か手を打たなければ維持費はますます増えてゆく。様々な協議が行われた結果、和館・洋館は敷地ごと登録有形文化財「旧坂井家住宅」として鎌倉市に寄付されることになった。さらに鎌倉市風致保存会がそこに入居することになり、むしろ積極的に手入れされることになった。

その過程で、敷地の一部は寄付せずに残された。相続への対応や子育てがひと段落した後、建主夫婦2人で暮らす新しい住宅を建てるためである。設計はそのようにしてスタートした。

残された敷地からみて、旧坂井家住宅は北側に位置している。奥様の生家とはいえ、文化財として寄付されているため不特定の見学者が訪れる。したがって北側を玄関およびアプローチとし、手入れされた旧坂井家住宅の庭を借景にして、敷地の境界にはフェンス等を設けないことにした。窓も高所のみとして、見学者からの視線に配慮している。

その一方で、南側にプライベートでこぢんまりとした庭をつくり、掃き出しの窓を設けて室内外の連続感を持たせている。屋根は北から南への片流れとし、掃き出しの窓の上に軒を伸ばすことで、洗濯物干しや梅干しづくりに役立つ幅の広い軒下空間を設け、室内外の連続感に実用性を付加している。

終の住処、とはよく聞く言葉だが、今回はそうではなく、子育てを終えた夫婦2人から子供の世代に引き継いでゆける住処がつくれないかと考えた。それは、生家の維持継続の問題に直面したという背景があるからだ。建物外形はシンプルな長方形にして、耐力壁をすべて外周に収め、将来の間取り変更での制約を減らした。室内は真壁作りとして構造体を見せ、直接手をつけられるようにしてある。法的には1階建てだが、吹き抜けの梁の上に剛性のある床を張れば、2階建てとして再度の確認申請が成り立つように耐力を逆算してある。それらの結果として、柱と梁の接合部に方杖を合板で挟んだハンチ型の構造体が生まれ、内観の特徴になった。

外壁材も維持継続を目的として、軽くて耐久性の高い金属サイディングを選んでいる。室内を真壁作りとする際、法的には柱部分の室外側に金属サイディングが使用できないため、けい酸カルシウム板と保護塗料を塗布した西洋杉の押し縁を取り付けた。時間とともに押し縁の部分だけは経年変化してゆくが、それによって金属サイディングで覆われた現代的な外観を、時間を重ねてきた旧坂井家住宅の外観と、少しだけでも呼応させられればと考えた。

訪れた見学者が旧坂井家住宅の二階縁側に上がり、新しく建った住宅を眺めたとしても、新旧住宅の格子窓のデザインが揃えてあることや、経年変化してゆく押し縁の意味には気付かないかもしれない。しかし、新旧住宅の関係には、それくらい微かな表現がちょうどいいのではないかと感じている。

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