アルヴァ・アアルト――もうひとつの自然

今年で生誕120年となる建築家アルヴァ・アアルト(1898-1976)は、モダニズムに自然の要素を取り入れ、人々の暮らしをより良くする建築や家具デザインなどを追求しました。彼のパイミオのサナトリウム(1933)やマイレア邸(1939)は建築における有機的な形態と素材の優れた相互作用を体現し、《アームチェア 41 パイミオ》(1932)や《スツール 60》(1933)は近代家具の展開に画期的な役割を果たしました。そして、ガラス器《サヴォイ・ベース》(1936)は、フィンランド・デザインのシンボルになっています。アアルトの有機的な形態は、フィンランドの自然や風景から生まれたという従来の見方に加えて、本展では同時代の芸術家たちとの対話も重要であったという新しい視点を提示します。 ヴィトラ・デザイン・ミュージアムとアルヴァ・アアルト美術館が企画した本展は、2014年9月にドイツのヴァイル・アム・ラインにあるヴィトラ・デザイン・ミュージアムで始まり、スペインのバルセロナ、マドリード、デンマークのオールボー、フィンランドのヘルシンキ、フランスのパリで開催されてきた国際巡回展です。日本では約20年ぶりとなる本格的なアアルトの回顧展であり、オリジナルの図面や家具、照明器具、ガラス器、建築模型など約300点で、フィンランドでもっとも著名なこの建築家の生涯と作品を辿ります。

展覧会の見どころ
1.アアルトの代表作、パイミオのサナトリウムの再現 パイミオのサナトリウム(1933)の一室を、当時の家具等で再現します。 2. 特設コーナー「アアルト ルーム / Aalto Room」 アルテックとイッタラの協力のもと、代表的な家具等を並べて、アルヴァ・アアルトのデザインを体感できる特設コーナーを開設します。特設コーナーでは会期中、ワークショップ等のイベント開催を予定しています。

日時
2018.9.15, 09:30 - 2018.11.25, 17:00
場所
神奈川県立近代美術館 葉山館
三浦郡葉山町一色2208-1
神奈川県
主催
神奈川県立近代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
リンク
www.moma.pref.kanagawa.jp

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