浅利幸男による文京区の「本駒込の家」

Yukio Asari / Love Architecture, Neoplus Sixten Inc.
20. 12月 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.

建築面積69m2、延床面積135m2。木造2階建て。リノベーションとはいえ、躯体以外は全て作り替えた。

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旗竿敷地の奥でありながら、庭が広めだったためかろうじて外観の撮影ができた。

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接道側には同じく黒沢隆による集合住宅「アウローラ」が建つ。ファサードはRCに銅板張りされている。(1989年竣工)

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外観は既存にあった “昭和” の面影を感じる仕上げにした。

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隣家の迫る玄関だが、反対側もガラスにして明るくしている。

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玄関を上がって右を見ると突き当たりの開口から坪庭が覗く。

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玄関から左はキッチンへ直ぐ入ることができる。玄関横で寒いのではと考えしまうが、引戸で仕切ることができる。

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キッチンから見たリビング・ダイニング。庭に向かってテラスが突き出した全面開口。

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実はこの住宅、元々大正時代に建てられたもので、昭和47年に黒沢隆もリノベーションを担当した。2本の柱はよく見ると2本ずつ立っており、手前側はその時増築されたときに追加された柱。
大正、昭和、平成と三つの時代をリノベーションしながら生きる建築だ。

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テラスに出からは「アウローラ」が見える。

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リビングから廊下に出ると、廊下が十字型に計画されているのが分かった。正面は北側の坪庭。

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振り返って南側を見る、今度は左が玄関やキッチンになる。そしてそれぞれの突き当たりには開口が設けられている。
正面は奥さまの書斎で、壁の右側は水回り。

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広い開口から自然な光に包まれる水回り。

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浴室は全面開口が可能で、隣家の視線も遮ってある。

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奥さまの書斎。マットレスが納まり、横になって本を読むこともできる寛ぎの空間だ。

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2階へ。スリット状のトップライトを新たに設けたが、光は間接光で取り込まれるようにした。
廊下の左手には子供室が三室、庭に向かって並ぶ。奥の作り付け家具に見えるのは収納とトイレだ。右手壁を挟んだ隣は主寝室とご主人の書斎。

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主寝室。トンネルのような収納とその先に書斎がある。

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トップライトの光がラウンドした壁に反射し柔らかに注ぐ。

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ご主人の書斎。棚の支柱は真鍮のパイプを曲げて作るという浅利さんらしい細かい造作。

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振り返ると収納のトンネルとベッドボードが連続する。これらの壁紙は奥さまの経営する会社の商品を使った。

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子供室にも廊下のトップライトからの間接光が入ってくる。

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ヴォールト天井に沿って光が導かれる。各部屋にはアクセントとして(もちろん構造)古い梁が表しになっている。
完全な建て替えも可能だったが、リノベーションによって100年近く家族の記憶を留めてきたこの棲まい。二度目のリノベーションでこれからもこの家族と共に時を刻んでいく。

【本駒込の家】
設計監理:ラブアーキテクチャー一級建築士事務所/浅利幸男、須賀茂幸
施工:泰進建設株式会社
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