進藤強/ビーフンデザインよる集合住宅「SMI:RE SHAKUJII」

Neoplus Sixten Inc.
5. 7月 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積85m2、建築面積48m2、延床面積95m2。木造2階建て。5住戸の長屋。
横長の比率なので、ファサードは単色だと壁のようになってしまうことから、グラデーションを採用し圧迫感を軽減した。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

横に回ると驚きのプロポーションと立地と共に、接道から約2mの高低差で本当の1階部分が現れ、2.5層の2階建てだと分かった。
そもそもこの敷地はどういうことなのか。40年ほど前にこの辺りの地主が左にある厚生労働省関係の施設に大きな土地を売却したが、どういう訳か半端に売却しきれずに経過。地主はそのことに最近気付き、数十年ぶりに日の目を見たこの土地が売りに出されたというわけだ。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

平面図。新青梅街道に対して右下の赤い斜めのラインが計画道路で、それを避けるため側面が斜めになったそうだ。
どうにも使い勝手の悪い立地と形状な上に、計画道路にも掛かってしまう敷地だが、進藤さんは素材を活かした料理に仕上げた。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

3m×30mの敷地。角度によってはこのように見える。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

背後(南側)からみると厚労省の施設はきれいに植栽され、建物は引きも有り、人通りも殆どないことからこの南側を活用し快適性のある住居として成り立たせようとした。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

少々危険だが、玄関から直ぐに歩道だ。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

境界には30cm程の隙間。歩道からほぼ敷地の余剰を得ずに出入りすることを強調するように、エキスパンドメタルで隙間を緩く塞いだ。(筆者はカギを開けさせてもらったが、落としてしまわないかとひやひやした)

Photo by Neoplus Sixten Inc.

向かって一番左の住戸。手前にロープが張ってあるのは、まだ一部施工中だったため。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

室内の奥行きは2.2mほど。窮屈そうに折れ曲がる階段が3層を接続する。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

目線の高さに中2階のロフトがあり、広さは2帖。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

1階は5.3帖。鋭角な居室だが、開口からは借景の緑が取り込まれ、視線も抜ける。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

階段の下にはコンパクトなキッチンが備わる。
3.1mの天高、開口と、、、

Photo by Neoplus Sixten Inc.

先端部は4.5mの吹き抜けで、思ったほど狭く感じない。
さらに上層のハイサイドからたっぷり採光され、隅の薄暗さは皆無だ。

Photo by Neoplus Sixten Inc.
Photo by Neoplus Sixten Inc.

ロフトから。街道と植栽のコントラスト。異なる風景が切り取られる。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

2階は水回り。ここからもたっぷり緑が望める。

Photo by Neoplus Sixten Inc.

鋭角部にシャワー室。

photo: ビーブンデザイン

現在5室中1室はショールームで、ほか4室が入居済み、。端には1台分の駐車場が鉄骨で造られており雰囲気はまた変わってる。

「忘れられた土地でした。誰もが使えないと考える土地を建築の力、アイデアで快適に建築化しました。変形地、崖、不利な地域、でありながら良いところを伸ばして、建築家の力で生まれ変わることができるという事例ではないでしょうか。」と進藤強さん。

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