TIMELESS

Satoshi Kurosaki
1. 2月 2022
All photos by Neoplus Sixten Inc.

黒崎敏/APOLLOによる東京都文京区の住宅「TIMELESS」。重厚なRC壁に囲われた外観ながら、内部は複数の庭と居室が横断的に連続した、光と緑溢れる空間が広がる。[TIMELESS House, Tokyo, Satoshi Kurosaki / APOLLO]
 

40mm幅の杉板型枠を使ったRC造のボリュームが、1階のハイサイドライトによって大きく二つに分かれる。キャンティレバーでせり出した軒下は来客用の駐車スペースで、足下は外構を取り巻くようにピンコロ石を敷き詰めた。

This house in a quiet residential neighborhood of central Tokyo was built for a couple who had long lived on the property but wanted to rebuild as they entered a new phase of life after their three children left home. The simple exterior design comprised of two massive volumes piled on top of each other takes advantage of the corner lot, with a façade of exposed concrete imprinted with cedar formwork. Outward-facing windows are limited to horizontal slits to preserve privacy and increase security. 
 
玄関、ガレージ周りは黒で引き締められ、ハイサイドライトと相まって、RCのボリュームが浮き上がって見えるように演出されている。
玄関扉を開けた瞬間に、想像だにしなかった空間が目の前に広がる。
吹き抜けの玄関ホールは中庭に面して上にも横にも大きく抜け、まだ外にいるような感覚になる。
階段ホールの奥にも中庭あり、竹を中心とした植栽がアイストップとなる。
LDK。南北の中庭に挟まれるような格好で配置されており、直射光と間接光の異なる光が常に差し込む。
LDKは、敷地一杯の外部空間にガラスで間仕切られただけのような構成で、内外の境界をできるだけ曖昧にして、庭を介したインタラクティブな関係を空間に生み出した。
全ての置き家具はポルトローナ・フラウ (Poltrona Frau) の全面協力により一時的にコーディネートされたもので、引越後はモルテーニ (Molteni&C) を中心としたコーディネートとなるそうだ。

Inside, the house is defined by two courtyards, one large and the other small, that are arranged in parallel. The main courtyard is on the south side and features a bamboo grove that draws the eye when one steps into the entryway. Because the living room, study, and bedrooms all face onto this courtyard, the clients and their dog can enjoy outdoor time as they please. 
キッチン周りはをはじめ家中全ての造作家具はリネアタラーラが担当。サイルストーン天板のキッチンと光沢のある収納。
突き当たりは愛犬のケージになっており中庭と勝手口に直通している。
奥様の書斎(家事室)。北側の中庭越しにリビングや玄関、2階まで見通せる。

A smaller slit-shaped courtyard on the north side is also dotted with plantings and serves as a lightwell, filling the first-floor living room and entryway as well as a second living room upstairs with pleasant, diffuse light. 
植栽はSOLSOとTISTOUが担当。竹以外地面ではなくあえてプランターを用いて、大小の植物をリズミカルに配置しながら、光が室内に良く届くようなバランスにした。
水勾配を付けたくないため置き床になっており、目地に雨水が流れる。

Deep eaves over the south-facing upstairs windows block direct sunlight, giving the first-floor living room a subdued, formal atmosphere. 
都心にありながら緑に囲まれた空間で、リゾートホテルのテラスにいるようだ。
西側のご主人の書斎は南側の中庭を見通す。
竹が植わる部分は地中深くまで仕切りが埋め込まれ地下茎対策されている。
2階へ。マラッツィの磁器タイルが空間を引き締める。
2階へ上がってすぐに、ラウンジのようなセカンドリビングがある。
1階のメインリビングよりもプライベート感のある空間。テレビボードの下にガス暖炉が備わる。

The upstairs living room is more casual and has an attached roof balcony, giving the second floor a different mood. This allows the residents the freedom to move through the house over the course of the day, spending time where they are most comfortable. 
左奥に主寝室、壁の裏にウォークインクロゼット、右奥にトイレ、右手の壁の裏が洗面室・浴室となる。
主寝室から。バルコニーと中庭に連続している。
ウォークインクロゼット。2カ所から出入りでき使い勝手が良い。
トイレの1面はガラスブロックで、裏側にはドライコートがある。
トイレの前から2階を見渡す。様々に抜けが設けられており、縦横に光が差し込みながら動線に行き止まりがない。
水回りは東西の坪庭に挟まれている。
浴室は全面開口で坪庭に連続する。
次に2階の奥へ。
バルコニーに面して同じ広さの子供室が3室並ぶ。子供といっても皆成人し、同居は一人で、ほかの兄弟は帰省した際に寝室として使う。
2階も全てポルトローナ・フラウの家具が仮置きされている。
一番奥は和洋折衷の客間。坪庭を介して先の浴室からドライコートまで連続する。つまり全ての室はどこかしらの庭に出入りできるよう面しているのだ。
バルコニーの東端から。塀の高さは6.5mあり、2階までプライベート空間を生み出している。

「アフターコロナに求められる住宅は、役割が明確な部屋や個室の集合体ではないと考えています。家族やゲストが内外をゆるやかに横断しながら、さながら旅をするかのように付かず離れず濃密な時間を過ごす。そのような自由な環境こそがこれからの住宅に求められる真の居場所ではないでしょうか。」と黒崎敏さん。

In the post-covid era, residential clients are less interested in rooms with clear functions or houses that are mere collections of individual rooms. Families want homes where they spend meaningful quality time, maintaining both distance and closeness as they cross casually between indoor and outdoor spaces almost as if they were traveling within their own house. We believe that this kind of free environment is what clients will be seeking in residential architecture in years to come.
– Satoshi Kurosaki
【TIMELESS】
設計・監理:APOLLO
構造設計:野村基建築構造設計
照明設計:リップルデザイン
外構設計:SOLSO + TISTOU
施工:葛工務店

用途:専用住宅
構造規模:RC造/地上2階建
敷地面積:313.60㎡
建築面積:202.59㎡
延床面積:307.56㎡

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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