廣部剛司による中野区の住宅「奏楽庵(sogaku-an)」

Neoplus Sixten Inc.
9. 8月 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積116m2、建築面積63m2、延床面積119m2。木造2階建て。

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ダークグレーの外観は、下の四角いボリュームに、半分に割られた上の切妻ボリュームが噛み合わさったようなかたち。

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玄関を抜け戸を開けると音楽ホールが現れた。
リビングダイニングでもあるこの主室は、バイオリンの練習や、サロンコンサートにも対応できるよう設計されている。「森の中で音楽を奏でるような」という施主の希望に応えられるよう、木々を植えられる中庭を計画した。

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小上がりのダイニングスペースはコンサート時の客席としても使いやすい。左奥がキッチンで、右の引戸から水回りへ、さらに右は階段室。中庭、水回り、階段室は防音のためのバッファーゾーンとしてもはたらく。

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柱や壁のない空間を得るため、大きな梁が掛けられている。梁を避けつつ反響音をコントロールするため凹凸の天井となっている。
左側で演奏、その前がソファ席、小上がりの上が椅子席になる、サロンコンサートの様子が想像できる。

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スポットや間接照明が設えられ、様々なシーンを演出できる。

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中庭の壁は防音の観点からも高めにした。植栽は今後施主が行っていくそうだ。

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2階へ上がるとすぐにスタディスペースで、5m程もある長机が作り付けられる。その上にはロフトが見る。

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スタディースペースを回り込むと個室が並ぶ。子供室二つと、奥に夫妻それぞれの寝室二つと、ウォークインクロゼットがレイアウトされる。

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2階では現しになっている大梁。そして子供室の間にはロフトへ上がるハシゴ。

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子供室。外に直接面した開口はないが、中庭からの光がポリカーボネートの引戸を介して注ぎ込む。
ベニヤの半端寸法を中央に寄せ、意匠化している。

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それぞれの個室はコンパクトにしたが、その分個室の接続部にはちょっとした溜まりを設けた。スタディーコーナーと合わせ家族の共用部を充実させたのだ。

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ロフトへのハシゴはもう一つ。

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上がってみると小屋裏全体を見渡せる。2面のロフトは合わせて8帖以上ある。ロフト部以外も水平垂直方向に連続した空間のため、ほぼ3階に見える。子どもにとっては格好の遊び場だろう。

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面積的な大きさだけでは測れない抜けを感じられる。

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「壁と天井は、響きとコストを考慮して基本的にシナベニヤを採用しています。1階2階共にそれを丁寧に割付けしていくことで、空間ボリュームや映し込まれる陰翳がより『素』の状態で感じられるのではないかと考えました。」と廣部剛司さん。

【奏楽庵(sogaku-an)】
設計:廣部剛司建築研究所
構造:構造設計舎
施工:平野建設(ASJ)

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