伊藤暁による「菊名の家」

Neoplus Sixten Inc.
18. 10月 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積166m2、建築面積68m2、延床面積106m2。木造2階建て。
傾斜地の住宅街で、北側には比較的人通りの多い生活道路と神社の森に面している。

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正面から見ると反対側まで見通せる開口がある。

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敷地は接道より1mほど下がっている。

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玄関は土間になっており、そのまま南側の庭まで通じ、遠くまで見渡せる風景と、後ろは神社の森だ。吹き抜けと天井までの大開口で、建物の断面をつくっているようだ。

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玄関扉と、庭側の扉は1階天井まである高さ2.9m。南アフリカ人の施主はこの扉を見て「Big is good!」と言ったとか。

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南北に門型フレームを構築し、東西に広い(長い)空間を持たせた。それをこの土間・吹き抜けで分節し、空間を緩くゾーニングした。

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土間はL字に展開し、奥はキッチンに直通。箱型の収納は上着などを掛けるクローゼットで、靴は縁の下にしまう。

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振り返るとAVルーム。正面の壁は、後ほど施主の自主施工によりプロジェクター投影用の壁紙が貼られる。

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門型のフレームが奥へ連続する。

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土間を渡りフリースペースと奥にDK。

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フリースペースで左を見ると寒冷紗を使ったオリジナルの簾戸が。

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太鼓貼りされているので、モアレ越しに神社の緑と通りを行く人がうっすら見える。

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右を向くと庭に面して全面ガラスなので、ここも南北が開口で抜けていることとなる。

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キッチンは広い作業台とたっぷりの収納。DKの中心には柱が立つが、ダイニングテーブルが置かれるので気にならなくなる。

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DKから振り返ると南北だけでなく、東西にも抜けているのが分かる。

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キッチンの奥から。仕上げる必要のないところは仕上げない(コストを抑える)、伊藤さんの流儀。

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森と街、家の境界を土間がバッファーとして調停する。密度のある魅力的な風景は、細かな操作がなされた結果だろう。

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DKから庭に出ると雁行する小気味よいテラスやバルコニーが現れる。左に植わるミカンは、土地の売り主さんから美味しい実が生ると教えられ残した。もう少しで収穫だ。

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2階へ。クローゼットは完全に階段の一部と化している。

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潔い手摺のディテール。

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吹き抜けの土間は、2階では渡り廊下で子供室へ接続されている。門型フレームの様子が分かりやすい。
左右の、大壁なのか真壁なのかよく分からない不思議な納まりを見せる壁を伊藤さんは「三六判の石膏ボードがここまでくるならここでいい。この後塗装されるので、パネルを貼ったみたいで面白い。」と話す。

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子供室の壁も施主やお子さんが自身で塗装するそうだ。
右手奥に見える白い箱はトイレ、さらに奥に水回りと主寝室の扉が2枚。

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主寝室。バルコニーからは谷側なので隣家の屋根の上を見渡すことができる。

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ウォークインクローゼットには水道管と排水管が。

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回り込むと洗面台だった。

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伊藤暁さん(右)と、大阪から見学に立ち寄った前田茂樹さん(左)。
「南アフリカ出身のご主人はとても豪快で、大きな空間を中も外も全部開け放つような住宅を望まれました。奥さまのご意見も調整しながら大きな気積でありながらも、空間を程よく分節し、おおらかで変化のある住宅を提案できたと思います。」

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