本橋良介+三木達郎/MMAAAによる「玉川台のアパートメント」

玉川台のアパートメント

Neoplus Sixten Inc.
1. 8月 2019
Photo by Neoplus Sixten Inc.

本橋良介+三木達郎/MMAAAによる世田谷区の集合住宅「玉川台のアパートメント」を訪問。田園都市線用賀駅から徒歩5分程の住宅地。
(新建築:2019年8月号掲載)

敷地面積359m2、建築面積202m2、延床面積537m2。RC造4階建て、21戸からなる共同住宅。
昔ながらの比較的広い敷地をもつ住宅地で、周辺には庭を持つ住宅が多い。そのため上階をセットバックさせながらボリュームを絞り、周囲の雰囲気に合わせながら庭のある家型のデザインを意識した。

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建物は接道面から法令よりさらにセットバックし植栽面を確保。建物左の小径のようなアプローチにも緑化条例に適合するように植栽を施す。少し芽吹きはじめているが、蒔かれているのは草花の種だそうだ。
オートロックはアプローチ中程の門扉で行う。

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小径を進むと広い庭が現れ、庭を挟んで二棟のアパートと、その棟を接続するブリッジが見える。右手通り側をA棟、左手をB棟と呼ぶ。

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回り込みながら小径が中庭に引き込まれるようにデザインされているが分かる。通常ここにアパートを建てるなら、当然四角いボリュームを1棟建てるのが商業的にも管理をする上でも効率が良いだろう。

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しかし、周辺にある比較的広めな庭を持つ住宅環境に合わせる意味も含め、この庭によって生まれる居住者の豊かな生活シーンを想像するのは難くない。
庭に植わるのは、ダンコウバイとモクレン。

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高さ制限内で4層にし住戸数を確保するために、1階は1.4mほど掘り下げた。掘り下げた部分が共用部でありながら専有部のドライエリアにみえる不思議な空間。

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1階の中央の住戸に入ってみる。いずれも1DKで25m2前後のコンパクトな間取り。

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この住戸のみ寝室側は1.5層の空間。正面はトイレとシャワー室で、タラップを使ってロフトへ上がることができる。白い壁は雑壁。

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A棟2階から見る。B棟の3階に行くにはA棟の3階に上がってからブリッジを渡る。さらにA棟の4階に行くには、一度B棟の4階に上がってからA棟へブリッジを渡るという "所作" を必要とする。

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A棟3階からB棟を見る。

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逆にB棟からA棟を見るとこのように。周辺の住宅と比較してボリュームはあるが、住宅に "擬態" し周囲から突出した存在にならないよう配慮しているのがわかる。

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A棟3階中央の住戸。この住戸のみ寝室に段差がつく。(下が先に紹介した1.5層の吹き抜け)

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A棟右側の住戸。斜線によって生まれた傾斜が三角の小屋裏を作りだしている。

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ブリッジ越しに "お向かい" が見える。

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B棟の住戸から見たブリッジ。共用部と専有部が連続する存在であるため、いわゆるアパートドアではなくガラスの引戸(1階は開き戸)とし、連続性を強調している。住み手にはこの開放性をポジティブに受け入れる度量や、住み方が求められるだろう。

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4階へ。A・B棟の共用部を正に共用している様子がよく分かる。
遠景に用賀駅の世田谷ビジネススクエアが望める。

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4階住戸。全ての住戸で計画されているが、共用部とのオープンな関係であるため、共用部寄りにキッチン(DK)と、一度障壁を用いてその奥に寝室を設けている。

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その障壁のレイアウトは各住戸で様々だ。

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切妻ボリュームに天井を張っていないため、4階ではかなりの天高となる。

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浴室もたっぷりの気積となる。

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アパートでありながら美術館のような不思議なスケール感。

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本橋良介さん。
「分棟にすることで豊かな共用空間を立体的に生みだすことが出来ました。ブリッジを架けたのは、窓先空地からの通路を確保するために、ブリッジ経由でアクセスする必要があったとうことでもありますが、分棟でありながらもそれを統合するという、両義的な状態にさせたかったという意匠的な意味合いが大きく、ボリュームが奥の上で繋がっていることで、中庭が外部として統合されつつ、地上レベルで感じられる隣家の隙間からの抜けを、様々なレベルで同時に存在させているという意図です。」

【玉川台のアパートメント】
設計・監理:本橋良介+三木達郎/MMAAA
構造設計:ロウファットストラクチュア
施工:SAS

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