畑中弘+桂野谷寿子/H2Oによる「葉山M邸」

Neoplus Sixten Inc.
14. 6月 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積494m2、延床面積157m2。木造2階建て。周辺は基本的に住宅地だが丘陵地の外れで緑が多く、野鳥の鳴き声が絶えず聞こえる。

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路地から引き込まれた私道の先にアプローチが延び、手前にはバイクガレージとその前に駐車スペース。
 

施主は東京で仕事をしており、今は週末住宅としての利用だが、じきリタイアした後の終の棲家として建てた。

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建物はアメリカの田舎で見られる納屋、Barn(バーン)のイメージ。
 

ガレージの脇から斜面に降りられる。様々な植物が植わるが週末毎にまだまだ手入れを行っている。

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傾斜敷地ではよく見られる2階玄関で、橋が架けられている。
 

玄関は開き戸の内側には簾戸(網戸)が付く。

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玄関を入ると広いLDKが1室。ソファに陣取る施主の愛犬がお出迎え。高台傾斜地の眺望を満喫するために南西面と北西面に大きな開口を設けた。夫婦二人だが友人を招くことも多くゆったりとした空間に。
 

150角の大黒柱と天井を支える十字に延びた梁がアイキャッチになる。犬も一緒なので床は傷まないよう木調のタイルを選んだ。

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高気密・高断熱な高性能住宅。木サッシュと3重ガラス、プラスターボードは2重、グラスウールは120+50の2重、天井には吹き込みのグラスウール280、C値0.25cm/㎡(隙間面積の割合)、熱交換型換気扇、一部温水輻射暖房を装備。ただ屋外ブラインドにもしたかったが、海に近く高台のため台風などの影響を考慮し断念。

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部屋の中央には薪ストーブ。軽井沢にも別荘がある施主は、森から切り出した薪を冬に備えて運んでくるそうだ。

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 南西面には2階、1階共にバルコニーを設えた。

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バルコニーから連続するメインバルコニー。敷地は元々雑木林のようになっていて、カシやシイの大木も何本か生えていたが1本だけ切り、残った大木を避けるように計画された。
 

このケヤキは夏場格好の木陰を作ってくれる。

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バルコニーには水栓も備わり、当然バーベキューテーブルが常備されている。
バルコニーの杉材は耐久性(保存薬剤を加圧注入)は保ちつつ、経年変化によって環境に馴染んでいく様子も楽しめる。

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1階へ。北側の窪んだ階段室の上にはトップライトを設けた。

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 1階からの見上げ。手摺の裏に照明が仕込まれていた。

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 1階には筆者の背後に水回りとエレベーター、前方左にご主人の寝室、奥さまの寝室、客間、トイレと続く。

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 客間は和室。

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落ち着いた雰囲気の縁側が設えてある。
 

バルコニーは強風に耐えられるよう鉄骨造で、建物とは接触していない。

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浴室の開口は意外にも控えめだった。軽井沢の別荘では浴室は大開口だそうで、こちらでは異なる雰囲気にしたかったためだ。

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畑中弘さん(右)と桂野谷寿子さん、施主夫妻とは友人関係。
「大きな木をできるだけ残すため計画も施工も苦労しました。活動的なご夫婦の終の棲家として穏やかでありながら、アクティビティを楽しめるような住まいです。また省エネでランニングコストを減らしたパッシブハウス基準を目指しました。」

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