浅利幸男による埼玉の龍泉寺納骨堂「八聖殿」

Neoplus Sixten Inc.
13. 7月 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.

 左の納骨堂と、奥の本堂に続く参道を改修したプロジェクト。

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既存はこのように、敷地周囲を塀が囲い窮屈で閉鎖的な印象があったという。参道も本堂に対して不自然に湾曲していた。

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参道は直線になるよう石を敷き直し、植栽も整え、一箇所に集められていたお地蔵様や仏像様を、参道沿いに適宜分散配置した。

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お参りに来た檀家さんが口々に「良くなった!」と話していた。

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納骨堂「八聖殿」。正八角形のRC造。地下1階、地上2階建て。
 

既存の躯体のみを残して、外壁、屋根、内部、外構を全てリノベーションした。

屋根頭頂部の相輪も取り外し、内部にある仕掛が施されている。

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納骨堂周囲には池(水盤)や腰掛けを設えた。
 

「この池で夏には子どもたちに遊んでもらいたい。お寺とはそういった、人が自由に集まる場所でいいと思っています。」と浅利さん。

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お堂外壁には木製のルーバーを張り巡らした。

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中へ入ると手水が出迎える。両側の引戸が1階の納骨室。
 

引戸、天井は鉄板にリン酸処理亜鉛メッキが施されている。

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階段室の螺旋階段は造り替えた。

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足元からの間接光に照らされた左官の版築仕上げで地層を表現。

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地下1階法要室(献花室)には菩薩が安置されている。

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法要室の両側には1階同様の引戸があり、中は納骨室になっている。

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納骨室。暗く落ち着いた空間は幻想的な雰囲気に包まれている。

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お堂の八角形そのままに内部も八角形で回遊できる。

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納骨壇は円形の柄が付いた扉を一つのモジュールとして、3タイプの大きさがあり、手前に仏壇、奥に納骨される。

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所有の納骨壇を探すには、お堂の「階数」と「八方」。それに縦に並ぶ五常「仁、義、礼、智、信」と、横に並ぶ八正道「見、思、語、業、命、精、念、定」の文字の交点を探す。
 

こういったアイデアも浅利さんから提案された。

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2階まで上っての見下ろし。

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見上げるとドームになっていた。相輪を取り外したのはこのトップライトからの採光のためだ。
御霊が螺旋をのぼり、天へ帰っていけるように。

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浅利幸男さん(右)と担当の石毛正弘さん。

「納骨堂のドームで見えた光は、今この瞬間だけ見える、同じもののない一回性の出会いで、これは人間のコントロール外のことです。何でもコントロールしようとする現世のエゴがあってはいけない、死者を単純に敬う気持ちを大切にしました。」
「ランドスケープでは、お寺は本来誰でも自由に出入りでき、自由にお参りできる場所だと思いますので、きれいに整えお寺本来の姿に戻す提案をしました。」

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