MoMAで開催中の「A Japanese Constellation: Toyo Ito, SANAA, and Beyond」
Neoplus Sixten Inc.
14. 3月 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.
3月13日よりニューヨーク近代美術館(MoMA)で始まった日本の建築家にフォーカスした展覧会「A Japanese Constellation: Toyo Ito, SANAA, and Beyond」のレポートが、japan-architects.comの姉妹サイトであるnewyork-architects.com担当のジョン・ヒルより送られてきましたので日本語にしてお届けします。〈Updated 2016年3月22日、新たな会場写真を追加〉
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本展で紹介されている建築家は、伊東豊雄、SANAA(妹島和世+西沢立衛)、藤本壮介、石上純也、平田晃久。本展では、日本の建築家のあいだにある師弟関係や協働などの独特の関係性が、世界でも評価される建築を生み出す土壌となっているという考えをベースに、90年代以降の日本の現代建築の革新を紐解く。
タイトルが示す通り、展覧会の構成は、伊東豊雄、SANAAと、"Beyond"の建築家たち=藤本壮介、平田晃久、石上純也という括り。
キュレーションを手掛けたのはMoMAの建築部門キュレーターを2012年から2015年まで努めたペドロ・ガダーニョ。「A Japanese Constellation」の構想については、ガダーニョが2012年にMoMAのキュレーターになった際、一番最初に提案したものだったという。
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コリドールにはスケッチがぽつりとひとつ。
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スケッチ/伊東豊雄(2012年)。伊東豊雄を中心に、展覧会で紹介されている建築家たちとの関係性が描かれている。
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コリドールを抜けると伊東豊雄の展示エリア。
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吊された布が仕切りとなっている。布の反対側がSANAAと妹島和世の展示エリアだ。
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写真のスライドショーはすべて布にぼんやりと投影させており、ドローイングと建築模型が目立つ構成となっている。
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西沢立衛、藤本壮介、石上純也、平田晃久のエリアへ。
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石上純也の展示コーナー。スペース目一杯に展示された模型たちは存在感がある。
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展覧会全体としては、模型、ドローイング、写真など40点以上が展示されている。展示されている膨大な模型の中からいくつか紹介したい。
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〈House NA 2007-2011/藤本壮介〉
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本展の主役は伊東豊雄。「今回展示されているSANAAをはじめとする建築家たちは皆、彼の建築に対するアプローチから影響を受けています。」とキュレーターのペドロ・ガダーニョ氏。
〈多摩美術大学図書館 2004-2007/伊東豊雄建築設計事務所〉
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広範囲にわたり、伊東氏が生み出してきた来た多様な建築を展示している。
〈瞑想の森 市営斎場 2004-2006/伊東豊雄建築設計事務所〉
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〈台中メトロポリタンオペラハウス 2005-/伊東豊雄建築設計事務所〉
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〈金沢21世紀美術館 1999-2004/SANAA〉
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SANAA、妹島和世、西沢立衛、それぞれの作品がフィーチャーされているが、やはりSANAAとしてのプロジェクトがメインに展示されている。
〈グレイス・ファームズ 2012-2015/SANAA〉
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大型の模型も展示されており、中をのぞいてスーパーミニマル建築の空間を感じることが出来る。
〈ツォルフェライン・スクール、ドイツ2003-2006/SANAA〉
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〈武蔵野美術大学美術館・図書館 2007-2010/藤本壮介〉
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〈サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン 2013/藤本壮介〉
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〈神奈川工科大学KAIT工房 2005-2008/石上純也〉
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〈Tree-ness House, Tokyo, 2009-/平田晃久〉
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壁には建築家たちの言葉が光る。
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左回りで見ていくと、最後の展示コーナーとして「みんなの家」に出会う。2011年の東日本大震災で被災した地域のために、伊東豊雄が中心となり複数の建築家たちが活動する復興支援プロジェクトである(本展でフィーチャーされている建築家たち全員が何らかのかたちで関わっている)。
会期:2016年3月13日(日)~7月4日(月)
会場:ニューヨーク近代美術館
詳細:http://www.moma.org/calendar/exhibitions/1615?locale=ja
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