若手建築家5名による倉庫リノベーションの提案「MAKE ALTERNATIVE TOWN」

Neoplus Sixten Inc.
20. 4月 2015
Photo by Neoplus Sixten Inc.

フォーラム・展覧会開催主旨
 

「世界とつながる羽田空港と日本全国につながる東京駅の中間に位置する品川駅・田町駅周辺地域は日本全体のターミナルライン、ターミナルエリアの核となるポテンシャルを持つ地域。
山手線の新駅、リニア中央新幹線ターミナル駅、アジアヘッドクオーター特区などの計画があり、さらにウォーター・フロントを挟んで2020年東京オリンピック・パラリンピックのベイ・ゾーンと向かい合う。このエリアを構成する芝浦地区はリノベーションの可能性を秘めた倉庫が残る地域。

倉庫という既存インフラを活用しながら、10年後、20年後の芝浦地区、品川駅・田町駅周辺、及びウォーター・フロントの未来を豊かに創造していくためのデザインとビジネスモデルを考える場を共有するために、展覧会とフォーラムを開催。」

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建築会館ホールでのフォーラムにおいて、株式会社リソーコ代表取締役社長池田浩大による講演のほか、出展建築家5名によるアイデアのプレゼンテーションが行われた。

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建築会館ギャラリーでの展覧会(4月22日まで)。
 

大きな展示台に芝浦地区の模型と、その周囲には参加メンバーの紹介を兼ねた著書や掲載雑誌が並ぶ。

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芝浦地区の模型(西沢さんが教授を務める芝浦工大の学生達による制作)。
 

芝浦はその殆どが埋め立て地で、運河、産業道路、東京モノレール、首都高速などの物流インフラが網の目のように張り巡らされている。その中にイーソーコが扱う倉庫が多数あり、さらにその中からいくつかの倉庫をピックアップして「この倉庫をリノベーションするならどうする?」といった投げ掛けに、若手建築家が答えるといった展開だ。

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特に表現方法の決まりはなかったが、皆大きめの模型で微細に作り込んできた。

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〈LOFT FIELD shibaura〉by tsukuruba design(中村真広 + 柴山修平 + 日高海渡)

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ドローンの愛好家は今後益々増えると予想されるが、安全に楽しむ場所が限られる。
 

そこで倉庫のフロアの下層と上層の間にネットを張り、物資上部の未利用空間を有効活用し、倉庫の収益性を上げようという提案。

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〈Shibaura Library〉by 畝森泰行建築設計事務所

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倉庫を「ものを保管する」から「情報を収集し、発信する」図書館へ変える。
薄暗い倉庫内の一部をスキップフロア化によって光や動線のアクティビティのある空間にし、従来の図書館像を拡張した新しい公共の場と運河沿いの遊歩道が織りなす水のネットワーク。

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〈パブッリック・ポータビリティ〉by 松井亮建築都市設計事務所

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芝浦の中でも高層住居誘導地区に指定されたエリアは居住者も多い。
 

周辺住民がエンドユーザーとして利用できる工房の提案。セルフリノベーションの推進やマーケット、スクールなどの公共性も担いながらモノ作りの拠点として街と繋がる。

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倉庫内に設置された大型の貨物用エレベーターに収まるサイズをモジュールとして、屋台、陳列棚、階段状座席などを組み合わせて様々な用途に可変出来る。

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〈Open-Traffic SOHKO〉by 久保都島建築設計事務所

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選定倉庫の北側には年間利用者が8,800万人の東京モノレール、南側の首都高速は年間3,600万台の車が走る。これらへの潜在的な広告効果を利用するため倉庫の2階部分を三角形の区画にしたショールームにする。

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〈まちを知りたいなら、まずは外に出よう〉by 中川エリカ建築設計事務所

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屋上はその建物に属していながら、ランドスケープでもあり、地面から切り離されているため建物単体のスケールを超えた周辺環境に属した存在になる。芝浦には「外である」という価値を謳歌できる屋上がたくさん在り使われるのを待っている。

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ここで提案するのは三角形のフレーム状「工作物」。床面積も屋内も持たない工作物が、様々な展開へのきっかけとなり、開放的であることから身体とまちのスケールを縫合できるのでは、という試み。

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左から中川エリカ、松井亮、久保秀朗、西沢大良、中﨑隆司、池田浩大、中村真広、畝森泰行の各氏。

「これはオリンピック後まで続く息の長いプロジェクトです。東京の新しい顔として変わっていくであろう芝浦エリアにこれからも注目して下さい。」と中﨑さん。

【MAKE ALTERNATIVE TOWN 展】
日時:2015年4月16日〜4月22日
場所:建築会館ギャラリー
詳細:www.makealternativetown.com

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