リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s
20. 3月 2025
All photos by Neoplus Sixten Inc.
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」展レポート。現代の我々の住環境を形作ることとなる14の傑作住宅を多角的に検証する展覧会。ミースの未完作品を原寸大で再現もしている。国立新美術館にて2025年6月30日まで開催
LIVING Modernity: Experiments in the Exceptional and Everyday 1920s–1970s, The National Art Center, Tokyo
【展覧会コンセプト】
本展覧会では、20世紀にはじまった住宅をめぐる革新的な試みを、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考します。そして、特に力を入れてご紹介する傑作14邸を中心に、20世紀の住まいの実験を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて多角的に検証します。
1920年代以降、ル・コルビュジエ(1887–1965年)やルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886–1969年)といった多くの建築家が、時代とともに普及した新たな技術を用いて、機能的で快適な住まいを探求しました。その実験的なヴィジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人々の暮らしを大きく変えていきました。
本展覧会は、当代の暮らしを根本から問い直し、快適性や機能性、そして芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した、戸建ての住宅をご紹介するものです。1920年代から70年代にかけて建てられたそれらのモダン・ハウスは、国際的に隆盛したモダニズム建築の造形に呼応しつつも、時代や地域、気候風土、社会とも密接につながり、家族の属性や住まい手の個性をも色濃く反映しています。理想の生活を追い求めた建築家たちによる暮らしの革新は、それぞれの住宅に固有の文脈と切り離せない関係にあるのです。
一方、それらの住宅は、近代において浮上してきた普遍的な課題を解決するものでもありました。身体を清潔に保つための衛生設備、光や風を取り込む開放的なガラス窓、家事労働を軽減するキッチン、暮らしを彩る椅子や照明などの調度、そして住まいに取り込まれた豊かなランドスケープは、20世紀に入り、住宅建築のあり方を決定づける重要な要素となったのです。そして、こうした新しい住まいのイメージは、住宅展示や雑誌などを通じて視覚的に流布していきました。
今から100年ほど前、実験的な試みとして始まった住まいのモダニティは、人々の日常へと浸透し、今なお、かたちを変えて息づいています。本展覧会は、今日の私たちの暮らしそのものを見つめ直す機会にもなるでしょう。
From the 1920s, architects such as Le Corbusier (1887-1965) and Ludwig Mies van der Rohe(1886-1969) have sought to create both functional and comfortable living spaces, employingnew technologies constantly developing through time. Their exemplary experimentalvisions and innovative ideas eventually spread broadly to drastically transform people'sdaily lives.
This exhibition showcases houses designed by architects who embraced modernity byreexamining the fundamentals of living to improve functionality, artistry and comfort. Builtduring the epic modern period of the 1920s to the 1970s, these houses share theinternational ethos of creating a new architecture fundamentally connected to their specifictime, region, climate, and social context. They also vividly express the family dynamics andcharacters of their individual residents. Innovations in living by the architects pursuing ideallifestyles are deeply intertwined with the distinct context of each house.
本展覧会では、20世紀にはじまった住宅をめぐる革新的な試みを、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考します。そして、特に力を入れてご紹介する傑作14邸を中心に、20世紀の住まいの実験を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて多角的に検証します。
1920年代以降、ル・コルビュジエ(1887–1965年)やルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886–1969年)といった多くの建築家が、時代とともに普及した新たな技術を用いて、機能的で快適な住まいを探求しました。その実験的なヴィジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人々の暮らしを大きく変えていきました。
本展覧会は、当代の暮らしを根本から問い直し、快適性や機能性、そして芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した、戸建ての住宅をご紹介するものです。1920年代から70年代にかけて建てられたそれらのモダン・ハウスは、国際的に隆盛したモダニズム建築の造形に呼応しつつも、時代や地域、気候風土、社会とも密接につながり、家族の属性や住まい手の個性をも色濃く反映しています。理想の生活を追い求めた建築家たちによる暮らしの革新は、それぞれの住宅に固有の文脈と切り離せない関係にあるのです。
一方、それらの住宅は、近代において浮上してきた普遍的な課題を解決するものでもありました。身体を清潔に保つための衛生設備、光や風を取り込む開放的なガラス窓、家事労働を軽減するキッチン、暮らしを彩る椅子や照明などの調度、そして住まいに取り込まれた豊かなランドスケープは、20世紀に入り、住宅建築のあり方を決定づける重要な要素となったのです。そして、こうした新しい住まいのイメージは、住宅展示や雑誌などを通じて視覚的に流布していきました。
今から100年ほど前、実験的な試みとして始まった住まいのモダニティは、人々の日常へと浸透し、今なお、かたちを変えて息づいています。本展覧会は、今日の私たちの暮らしそのものを見つめ直す機会にもなるでしょう。
From the 1920s, architects such as Le Corbusier (1887-1965) and Ludwig Mies van der Rohe(1886-1969) have sought to create both functional and comfortable living spaces, employingnew technologies constantly developing through time. Their exemplary experimentalvisions and innovative ideas eventually spread broadly to drastically transform people'sdaily lives.
This exhibition showcases houses designed by architects who embraced modernity byreexamining the fundamentals of living to improve functionality, artistry and comfort. Builtduring the epic modern period of the 1920s to the 1970s, these houses share theinternational ethos of creating a new architecture fundamentally connected to their specifictime, region, climate, and social context. They also vividly express the family dynamics andcharacters of their individual residents. Innovations in living by the architects pursuing ideallifestyles are deeply intertwined with the distinct context of each house.
会場に入るとすぐに別空間に入ったことを感じさせる。
〈Villa le Lac (湖の家)〉1924、ル・コルビュジエ
スイス、レマン湖のほとりに建つ、コルビュジエが両親のために建てた “小さな家” の原寸大模型。窓からは美しい湖が目の前に広がっている。
(天井は消防上の理由で塞ぐことはできないそうなのでメッシュになっている)
スイス、レマン湖のほとりに建つ、コルビュジエが両親のために建てた “小さな家” の原寸大模型。窓からは美しい湖が目の前に広がっている。
(天井は消防上の理由で塞ぐことはできないそうなのでメッシュになっている)
外観
Villa le Lacの庭の片隅にある塀と一体となったテーブルも再現されている。庭は建物との位置や広さも原寸大。
会場全景
間仕切りのない大空間に色とりどりの大きなタペストリーが7枚吊り下げられている。それらがテーマ(観点)毎のエリアだが、エリアの仕切りはなく曖昧に連続している。
間仕切りのない大空間に色とりどりの大きなタペストリーが7枚吊り下げられている。それらがテーマ(観点)毎のエリアだが、エリアの仕切りはなく曖昧に連続している。
会場に入る前に展示空間のレイアウト模型を確認しておくとよい。
衛生、窓、調度、メディア、素材、キッチン、ランドスケープという7つの観点はそれぞれの住宅をつなぐ「海」のようなエリアとして配置され、各エリアにあるタペストリーには観点の解説が記載されている。観点ごとの色は各作品のパネルやテーブル上のキャプションに色の帯として用いられている。
【展示住宅】
ヴィラ・ル・ラク|ル・コルビュジェ
聴竹居|藤井厚ニ
トゥーゲントハット邸|ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ
メゾン・ド・ヴェール|ピエール・シャロー
土浦亀城邸|土浦亀城
カサ・デ・ヴィドロ|リナ・ボ・バルディ
SH-1|広瀬鎌ニ
ムーラッツァロの実験住宅|アルヴァ・アアルト
ナンシーの家|ジャン・プルーヴェ
ミラー邸|エーロ・サーリネン、アレクサンダー・ジラード、ダン・カイリー
スカイハウス|菊竹清訓、菊竹紀枝
ケース・スタディ・ハウス #22|ピエール・コーニッグ
フィッシャー邸|ルイス・カーン
フランク&ベルタ・ゲーリー邸|フランク・ゲーリー
コートハウス・プロジェクトシリーズ|ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ
Villa «Le Lac»| Le Corbusier
Chochikukyo | Koji Fujii
Tugendhat House | Ludwig Mies van der Rohe
Maison de Verre | Pierre Chareau
Tsuchiura Kameki House | Kameki Tsuchiura
Casa de Vidro | Lina Bo Bardi
SH-1 | Kenji Hirose
Muuratsalo Experimental House Alvar Aalto
House in Nancy | Jean Prouvé
Miller House | Eero Saarinen, Alexander Girard, Dan Kiley
Sky House | Kiyonori and Norie Kikutake
Case Study House #22 | Pierre Koenig
Fisher House | Louis Kahn
Frank & Berta Gehry House | Frank Gehry
Court House Project Series | Ludwig Mies van der Rohe
衛生、窓、調度、メディア、素材、キッチン、ランドスケープという7つの観点はそれぞれの住宅をつなぐ「海」のようなエリアとして配置され、各エリアにあるタペストリーには観点の解説が記載されている。観点ごとの色は各作品のパネルやテーブル上のキャプションに色の帯として用いられている。
【展示住宅】
ヴィラ・ル・ラク|ル・コルビュジェ
聴竹居|藤井厚ニ
トゥーゲントハット邸|ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ
メゾン・ド・ヴェール|ピエール・シャロー
土浦亀城邸|土浦亀城
カサ・デ・ヴィドロ|リナ・ボ・バルディ
SH-1|広瀬鎌ニ
ムーラッツァロの実験住宅|アルヴァ・アアルト
ナンシーの家|ジャン・プルーヴェ
ミラー邸|エーロ・サーリネン、アレクサンダー・ジラード、ダン・カイリー
スカイハウス|菊竹清訓、菊竹紀枝
ケース・スタディ・ハウス #22|ピエール・コーニッグ
フィッシャー邸|ルイス・カーン
フランク&ベルタ・ゲーリー邸|フランク・ゲーリー
コートハウス・プロジェクトシリーズ|ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ
Villa «Le Lac»| Le Corbusier
Chochikukyo | Koji Fujii
Tugendhat House | Ludwig Mies van der Rohe
Maison de Verre | Pierre Chareau
Tsuchiura Kameki House | Kameki Tsuchiura
Casa de Vidro | Lina Bo Bardi
SH-1 | Kenji Hirose
Muuratsalo Experimental House Alvar Aalto
House in Nancy | Jean Prouvé
Miller House | Eero Saarinen, Alexander Girard, Dan Kiley
Sky House | Kiyonori and Norie Kikutake
Case Study House #22 | Pierre Koenig
Fisher House | Louis Kahn
Frank & Berta Gehry House | Frank Gehry
Court House Project Series | Ludwig Mies van der Rohe
例えば〈ケース・スタディ・ハウス #22〉はパネルの帯が、緑 (メディア) をメインに、ピンク (キッチン) 、オリーブ (ランドスケープ)となっているので、それらの観点で検証されている作品ということになる。
14の住宅は「島」に見立てたそれぞれのテーブル上に展開されている。テーブルを一周することでその住宅の特徴や建築家の意図を理解することができる。
タペストリーに1から7の番号が振ってあるが、順路ではなく整理番号のようなもので、観覧者は自由に島を巡ってみてほしいとのこと。
(撮影できない模型もあります / Some models can't be photographed)
タペストリーに1から7の番号が振ってあるが、順路ではなく整理番号のようなもので、観覧者は自由に島を巡ってみてほしいとのこと。
(撮影できない模型もあります / Some models can't be photographed)
会場の一角に4枚だけ細長いパーティションがある。
〈スカイハウス〉の原寸大柱壁を表現しているのだ。
〈スカイハウス〉の原寸大柱壁を表現しているのだ。
〈スカイハウス〉1958、菊竹清訓、菊竹紀枝
Sky House, Kiyonori & Norie Kikutake
本来ピロティに吊り下がる子ども室が天井に再現されている。
Sky House, Kiyonori & Norie Kikutake
本来ピロティに吊り下がる子ども室が天井に再現されている。
菊竹の貴重な手描きスケッチも。
〈フランク&ベルタ・ゲーリー邸〉1978、フランク・ゲーリー
Frank & Berta Gehry House, Frank Gehry
Frank & Berta Gehry House, Frank Gehry
〈土浦亀城邸〉1935、土浦亀城
Tsuchiura Kameki House, Kame Tsuchiura
Tsuchiura Kameki House, Kame Tsuchiura
〈ムーラッツァロの実験住宅〉1954、アルヴァ・アアルト
Model for Muuratsalo Experimental House, Alvar Aalto
Model for Muuratsalo Experimental House, Alvar Aalto
〈ミラーハウス〉1957、エーロ・サーリネン、アレクサンダー・ジラード、ダン・カイリー
Miller House, Eero Saarinen, Alexander Girard, Dan Kiley
Miller House, Eero Saarinen, Alexander Girard, Dan Kiley
〈聴竹居〉1928、藤井厚二
Chochikukyo, Koji Fujii
Chochikukyo, Koji Fujii
〈SH-1〉1953、広瀬鎌ニ
SH-1, Kenji Hirose
SH-1, Kenji Hirose
〈「フィッシャー邸」の窓辺〉1967、ルイス・カーン
Windows of “Fisher House”, Louis Kahn
Windows of “Fisher House”, Louis Kahn
住宅と共に時代をつくってきた名作家具も会場に散りばめられている。
一旦会場を出て2階には無料の展示があり、本展目玉企画の一つ
〈ロー・ハウス・プロジェクト〉1931、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ
Row House, Ludwig Mies van der Rohe
国立新美術館で初めて行ったクラウドファンディングで寄付を募り実現した展示となる。
(This is the first exhibition at the National Art Center, Tokyo to be realized by raising donations through crowdfunding.)
〈ロー・ハウス・プロジェクト〉1931、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ
Row House, Ludwig Mies van der Rohe
国立新美術館で初めて行ったクラウドファンディングで寄付を募り実現した展示となる。
(This is the first exhibition at the National Art Center, Tokyo to be realized by raising donations through crowdfunding.)
ミースはドイツで活動していた1930年代から、いくつものコートハウス(中庭のある住宅)を構想していた。囲われた中庭は周辺から遮断される一方、ガラスの大きな開口によって室内空間との関係を密にしている。残された図面では室内と中庭が同じ床材で表現され、その連続性が検討されてる。
ミースの問いは空間に向けられており、それは「現代に生きる人間の空間的要求」を満たすために、いかに空間を組織し、風景と関連づけるかという問いでもあったがほとんど実現していない未完の作品となる。
今まで図面でしか知られてこなかったこのプロジェクトを原寸大で実現した初めての試み。
Mies had been conceptualizing plans for a series of courtyard houses in the 1930s while working in Germany. While the confined courtyard is protected from the surroundings, it nurtures an intimate relationship with interior space through large glass windows.
The remaining drawings depict the same expression of the flooring grid for the interior and the courtyard, implying its considerations on the continuity of space. The pursuit that occupied Mies in this series was centered on space. It explored how to organize space and relate it to the landscape to meet "the spatial needs of modern humans.”
However, most of Mies' court houses were never realized. "Row House" is also one of those unbuilt projects. The exhibition marks the first-ever attempt to realize this project in full scale, which was previously only known in drawings.
ミースの問いは空間に向けられており、それは「現代に生きる人間の空間的要求」を満たすために、いかに空間を組織し、風景と関連づけるかという問いでもあったがほとんど実現していない未完の作品となる。
今まで図面でしか知られてこなかったこのプロジェクトを原寸大で実現した初めての試み。
Mies had been conceptualizing plans for a series of courtyard houses in the 1930s while working in Germany. While the confined courtyard is protected from the surroundings, it nurtures an intimate relationship with interior space through large glass windows.
The remaining drawings depict the same expression of the flooring grid for the interior and the courtyard, implying its considerations on the continuity of space. The pursuit that occupied Mies in this series was centered on space. It explored how to organize space and relate it to the landscape to meet "the spatial needs of modern humans.”
However, most of Mies' court houses were never realized. "Row House" is also one of those unbuilt projects. The exhibition marks the first-ever attempt to realize this project in full scale, which was previously only known in drawings.
大きさは約16m四方。1/4が中庭として抜けており、現代風に言うと170㎡の1LDK。
十字断面・鏡面上げの柱はこの時代ミースが多用した表現で、バルセロナパビリオンなどでも見られる。
一部床や家具面に推測される仕上げを用いているが、壁やサッシュ、天井はスケールモデルと同様に “白” で表現されている。これは再現空間ではなくあくまでも "1/1模型" であるからだ。
(Villa le Lac同様の理由で天井はメッシュとなる)
十字断面・鏡面上げの柱はこの時代ミースが多用した表現で、バルセロナパビリオンなどでも見られる。
一部床や家具面に推測される仕上げを用いているが、壁やサッシュ、天井はスケールモデルと同様に “白” で表現されている。これは再現空間ではなくあくまでも "1/1模型" であるからだ。
(Villa le Lac同様の理由で天井はメッシュとなる)
©The National Art Center, Tokyo
照明の色が刻々と変わり、6分30秒で1日の光環境を再現している。
下は光が変化していく様子をタイムラプス動画で撮影したもの。
下は光が変化していく様子をタイムラプス動画で撮影したもの。
本展監修の岸和郎さん (左) と、会場構成を担当した長田直之さん
「ミースのRow Houseを実施設計するにあたり、オリジナルの簡易な図面を元に進めていく必要がありましたが、まずスケールを決めるために、手掛かりになるのが900×900の床の石のサイズです。そこから平面のスケールを決めるのが一番時間が掛かりましたが、平面が決まるとほかの作品を参考に天井高やそのほかのサイズを決めていきました。またバルセロナチェアなどミースがデザインした椅子は、900×900の石にぴったりと収まるサイズだということも分かりました。」と長田さん
「ミースの平面図を見ると柱を基準に3×3のグリッドになっています。これはルネサンス期に建築の基本のようなもをつくった建築家アンドレア・パラディオに倣って線を引いているのかなと感じました。またルネサンスにはシンメトリーが基本でしたが、ミースは1/4を中庭で抜いたり、しかも中心がずれているなどシンメトリーを避けているのが読み取れました。」と岸さん
「ミースのRow Houseを実施設計するにあたり、オリジナルの簡易な図面を元に進めていく必要がありましたが、まずスケールを決めるために、手掛かりになるのが900×900の床の石のサイズです。そこから平面のスケールを決めるのが一番時間が掛かりましたが、平面が決まるとほかの作品を参考に天井高やそのほかのサイズを決めていきました。またバルセロナチェアなどミースがデザインした椅子は、900×900の石にぴったりと収まるサイズだということも分かりました。」と長田さん
「ミースの平面図を見ると柱を基準に3×3のグリッドになっています。これはルネサンス期に建築の基本のようなもをつくった建築家アンドレア・パラディオに倣って線を引いているのかなと感じました。またルネサンスにはシンメトリーが基本でしたが、ミースは1/4を中庭で抜いたり、しかも中心がずれているなどシンメトリーを避けているのが読み取れました。」と岸さん
【リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s】
LIVING Modernity: Experiments in the Exceptional and Everyday 1920s–1970s
会期:2025年3月19日〜6月30日
時間:10:00〜18:00(最終日24日は15:00まで)
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は開館、5月7日は休館)
会場:国立新美術館(企画展示室1E、企画展示室2E)
詳細:www.nact.jp/exhibition_special/2025/living-modernity/
Posted by Neoplus Sixten Inc.
LIVING Modernity: Experiments in the Exceptional and Everyday 1920s–1970s
会期:2025年3月19日〜6月30日
時間:10:00〜18:00(最終日24日は15:00まで)
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は開館、5月7日は休館)
会場:国立新美術館(企画展示室1E、企画展示室2E)
詳細:www.nact.jp/exhibition_special/2025/living-modernity/
Posted by Neoplus Sixten Inc.