「木下昌大展 最適化する建築」 レポート

Neoplus Sixten Inc.
9. 3月 2016
Photo by Neoplus Sixten Inc.

「"最適化する建築"とは、建築が内包する空間とその建築を取り巻く環境を、人間が活動するために最適な状態にかえる行為の過程全体、あるいは一部のこと。また、そのような行為によって作られた構造物そのものを指す−−−木下昌大」(展覧会概要より抜粋)


本展覧会は、「最適化する建築」を求めた結果実現した木下さんのプロジェクト6点と、京都工芸繊維大学の木下研究室で学んだ学生の卒業制作のうち3点が展示されている。木下さんにとっては初の個展でもある。

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9つのプロジェクトには、それぞれに異なる与件があり、その与件から導かれた姿がある。与件がどのように「建築」へと昇華されていったのか、「建築」がどのようにその内外の環境を最適化しているのかという点が見どころだ。

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ファクタープロット (C) KINO architects

最適化のプロセス。4つの象限に与件となる要素を収集・プロットし、要素を抽出。プロジェクトごとに重要な項目を強調した上で、要素から原型を生成し、型を与件にあわせて変形する。

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〈カナエル神奈川西支店〉 2015年
LPガス会社のショールーム&オフィス
内覧会レポート>>

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〈AKASAKA BRICK RESIDENCE〉 2014年
内覧会レポート>>

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〈一橋大学空手道場〉 2012年

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〈JFEケミカル・ケミカル研究所〉 2009年
木下さんのデビュー作

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9枚の吊り下げ展示のうち手前3枚が学生の卒業制作展示。木下さんは2014年より京都工芸繊維大学の助教を務めており、今回初めて教え子が卒業する。

「学生という媒体を通して出てきたものは、ある意味ノイズが取り払われていてエッセンスが凝縮されています。僕の作品と並列に展示してみても良いと思える近さがありました。」と木下さん。

内藤佑〈KURASHIKI HUBー倉式駅前再開発による観光促進〉
獅子島啓太〈架ける建築ー木密地域再生計画〉
額田奈菜子〈afterschool townscapeー放課後をつなぐ街中立体公園〉

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展示の紙は、映像コーナーとの仕切りも兼ねている。

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実際の空間に近い体験をしてもらうため、視界から映像の端が入らないくらい、あえて映像と椅子の距離は短くしてある。

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会場は基本的にこれ位の薄暗さ。映像の光の強さや色味によって、展示物に様々な陰影が作られていく。

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ギャラリートーク「それでも建築をつくる。」の様子。
 

登壇者は同じ年代の建築家3名と建築に関わる編集者2名。左から山崎泰寛(KYOTO Design Lab)、外山暁啓(KJ編集長)、菅原大輔(SUGAWARADAISUKE)、山﨑健太郎(山﨑健太郎デザインワークショップ)、木下昌大(KINO architects)の各氏。

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「建築は、建てても永遠に使われるものではないと認識してしまった僕らの世代ですが、それでも建築はなお、かなり具体的な力(影響力)を持っていると言えると思うし、そう信じたい。」と木下昌大さん。

【木下昌大展 最適化する建築】
日程 :2016年2月27日(土)〜3月27日(日)
休廊 :月(3月21日をのぞく)・火
会場: 京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab 東京ギャラリー
住所:東京都千代田区外神田6丁目11-14 アーツ千代田3331, 203号室
詳細:京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab

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