KEITOKU BLDG.
Tomoyuki Kurokawa | 28. 3月 2025
All photos: Yasuhiro Nakayama
黒川智之建築設計事務所による新宿の「KEITOKU BLDG.」レポート。敷地奥側に汎用性の高いボックス型のテナントスペースを設けつつ、接道側に都市へ接続する中間領域となるような“ファサード空間”を設けた。
Keitoku Bldg., Tokyo, Tomoyuki Kurokawa Architects
敷地は西新宿の新宿中央公園に程近い十二社通り沿い。ここでは施主の親族が平屋の建物でクリニックを営んでいたが、今回それを10階建てのテナントビルとして建て替えた。
取材後現在は、1階に調剤薬局のあるドラッグストアのチェーン店、2〜3階にクリニック、4〜10階にシェアオフィスが入っている。
4・5階、6・7階、8・9階はそれぞれ道路側に2層の吹き抜けを持つ。
取材後現在は、1階に調剤薬局のあるドラッグストアのチェーン店、2〜3階にクリニック、4〜10階にシェアオフィスが入っている。
4・5階、6・7階、8・9階はそれぞれ道路側に2層の吹き抜けを持つ。
ファサードの柱は鋭角な台形で、薄いスラブが積層している様子を際立たせている。
上階に行くに従って柱の底辺は奥行きが小さくなり斜辺の角度が立って柱が細くなる。
上階に行くに従って柱の底辺は奥行きが小さくなり斜辺の角度が立って柱が細くなる。
さらに、サッシュ(方立)が上にいくほど内部に入っていき、少しずつ表情が変わる。
こういったファサードに現れる差異、内部に現れる活動の差異、時間によって変わる見え方の差異などが重奏し、街に魅力を与えられるのではという考えだ。
なお、ビルはRC造に見えるが鉄骨造で、ファサード面のスラブとマリオン控え壁はコンクリート現しの表現とされ、箱型のオフィスビルに半屋外的な設えの“ファサード空間”が組み合わさっているような恰好だ。
こういったファサードに現れる差異、内部に現れる活動の差異、時間によって変わる見え方の差異などが重奏し、街に魅力を与えられるのではという考えだ。
なお、ビルはRC造に見えるが鉄骨造で、ファサード面のスラブとマリオン控え壁はコンクリート現しの表現とされ、箱型のオフィスビルに半屋外的な設えの“ファサード空間”が組み合わさっているような恰好だ。
4・5階。2層吹き抜けの開放的なファサード空間。
奥行きは約2m、外部から見ると日中は反射によりガラスの存在が強いが、夜になるにつれ内壁に貼られた鋼板が内部の光を反射し空間が外に浮かび上がってくる。
奥行きは約2m、外部から見ると日中は反射によりガラスの存在が強いが、夜になるにつれ内壁に貼られた鋼板が内部の光を反射し空間が外に浮かび上がってくる。
2層分まるごとカーテンで開放度を調整することができる。クリエーションバウマンの遮熱カーテンを採用した。
内壁に貼られたZAM鋼板(高耐食めっき鋼板)が周囲の風景も写している。
中に入っているのがシェアオフィス「BasisPonit 西新宿」の個室オフィスで、1人用から6人用まである。
前述の通り4階から10階はシェアオフィスで、内装の仕上げや家具のデザインは高濱史子さんにが手掛けた。
中に入っているのがシェアオフィス「BasisPonit 西新宿」の個室オフィスで、1人用から6人用まである。
前述の通り4階から10階はシェアオフィスで、内装の仕上げや家具のデザインは高濱史子さんにが手掛けた。
向かいのビルからは上階のファサード空間に人々の活動が見えてくるだろう。
個室オフィスからの眺め。
オフィスの外に歩道があり、その向こうに街の風景が広がっているように見える。
オフィスの外に歩道があり、その向こうに街の風景が広がっているように見える。
より歩道に見える演出として、ビニールタイルとタイルカーペットを使って実際の歩道のコンテクストを拾い上げている。
8・9階。こちらはファサード空間の半分がオフィスになっている。
9階からの眺め。
掃き出し窓が角に配置されているため、ファサード空間は街に飛び出しているように感じる。
掃き出し窓が角に配置されているため、ファサード空間は街に飛び出しているように感じる。
10階。受付とコワーキングフロア。
カウンターにはドリンクバーなどが並び、フロアにはコワーキング用のテーブルや商談用のソファー席などが配置される。
カウンターにはドリンクバーなどが並び、フロアにはコワーキング用のテーブルや商談用のソファー席などが配置される。
3階「西新宿パークサイドクリニック」
糖尿病・内分泌領域を専門としたクリニックで、こちらの内装デザインは黒川さんが手掛けた。
糖尿病・内分泌領域を専門としたクリニックで、こちらの内装デザインは黒川さんが手掛けた。
ファサード空間は受付と待合。壁面の波形はカーテンのドレープを引用し、間接照明の光も波形に映し出されている。
夜になると街に対して浮かび上がるファサード空間。
【KEITOKU BLDG.】
Keitoku Bldg. / Tomoyuki Kurokawa Architects
設計・監理:黒川智之建築設計事務所
構造設計:オーノJAPAN
設備設計:EOS plus/テーテンス
内装設計:(シェアオフィス) 高濱史子建築設計事務所
(クリニック)黒川智之建築設計事務所
施工:守谷商会
用途:事務所・テナント
構造規模:鉄骨造、地上10階建て
敷地面積:150.39 ㎡
建築面積:107.40 ㎡
延床面積:952.26 ㎡
Posted by Neoplus Sixten Inc.
Keitoku Bldg. / Tomoyuki Kurokawa Architects
設計・監理:黒川智之建築設計事務所
構造設計:オーノJAPAN
設備設計:EOS plus/テーテンス
内装設計:(シェアオフィス) 高濱史子建築設計事務所
(クリニック)黒川智之建築設計事務所
施工:守谷商会
用途:事務所・テナント
構造規模:鉄骨造、地上10階建て
敷地面積:150.39 ㎡
建築面積:107.40 ㎡
延床面積:952.26 ㎡
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