共愛学園前橋国際大学5号館

KYOAI GLOCAL GATEWAY

CAt
12. 7月 2021
All photos by Neoplus Sixten Inc.

CAtによる前橋市の「共愛学園前橋国際大学5号館 KYOAI GLOCAL GATEWAY」。地学一体となった取組で注目を集めている大学の、学習・集い・交流の場と、事務機能を一体化し、大学と地域をより一層結びつけるための拠点となる建物。 [KYOAI GLOCAL GATEWAY by CAt]

創立130年を誇る共愛学園は、広大な敷地にこども園から大学までが配されおり、本計画は最寄りの駅から歩いてきたとき、ちょうどここがキャンパスの顔となる場所。
通りに面して張られていた柵を取り払い、オープンな雰囲気となった大学の入り口で、「キャンパスゲート」は屋根を持ち上げ、羽目板張りの軒が温かく人々を迎え入れるような構えとした。
建物の西側(左)には学内へのメインの動線となる桜並木「キャンパスモール」が続いているので、そこから奥へ進んでみる。
キャンパスモールには桜のほかに、日陰を作ってくれるケヤキを追加で植え、居場所となる段を多数設けた。
この建物は4つの角がそれぞれ異なる性格を持っており、南西の「キャンパスゲート」に続いて現れたのは芝生に面した北西の「アクティビティテラス」。イベントの際はステージとしたり、背後のホールの折れ戸を解放すれば内外を連続させることができる汎用性の高いテラス。
北側から。ほぼ全面が開口であることが分かる。
2階からのカットとなるが、芝生広場を挟んで北側に2012年に乾久美子建築設計事務所が手掛けた4号館「KYOAI COMMONS」があり、今回キャノピーで渡り廊下的に接続させた。
続いて北東の角はシンボルとなる冬桜を植えた「サクラエントランス」。「KYOAI COMMONS」も共用できる車寄せになっており、キャノピーによって来客は雨に濡れず両建物へアクセスできる。
最後に南東の「グリーンテラス」。柵を廃し、替わりに工事によって出た残土で盛り土をして緑の緩衝地帯を設けた。屋内に見えるのは職員のリフレッシュスペースとなる。
南側の通りから。
一周したところで「キャンパスゲート」から中へ。吹き抜け空間がそのまま緩く仕切られ外部へ連続している。折れ戸を閉じている際は正面の自動ドアで出入りする。
エントランスは大階段を持つ吹き抜けのフリースペースだ。地学一体を標榜する本学の外部と接点となる大切な場所で、地元とのイベントに活用できるよう目指す。
エントランスから奥を見ると、対角の「サクラエントランス」まで見通せる主要動線が通っている。動線は学生ラウンジを中心に、学習、情報展示、交流の場でもあるフレキシブルラーニングエリアとして捉え「グローカルコモンズ」の役割を促す。
ハイサイドライトから光が差し込む中央の学生ラウンジでは就活情報や、入試情報などを閲覧できる。ベンチはパーティションと一体となったオリジナル家具。
定員200人の多目的ホール。先に紹介した「アクティビティテラス」と連続させることができる。
プロジェクトルーム。ゼミはもちろん、会議やイベント、地元企業などと共同のプロジェクトなどを進める。
こちらもご覧のように全開にでき、なびくカーテンからも風通しの良さが伺える。
カーテンは安東陽子が手掛け、キリスト教主義の学園から十字架がモチーフとなっている。
学生用の相談ブースも。
吹き抜けは5カ所もある。当初学園はオフィスをワンフロアにすることを想定したが、コストや建物配置、広場の大きさなどを考慮して、無理をせず2階建てにして、要所で吹き抜けを設け、上下を連続させることで一体感のあるワンルームオフィスとしながらもオフィスだけでなく、建築全体が空間的にシームレスな環境にすることを提案した。
「キャンパスゲート」へ戻る。折れ戸を全て閉めた状態。
2階へ。シェルフが上下の連続性を強調している。
書棚には自由に閲覧できる本や、グローカルな活動から生まれた成果物などが並ぶ。吹き抜けに面した自習スペースも。
2階も学生が自由に立ち入れるが、1階よりも事務的色合いが濃くなる。プロジェクトルーム、職員の執務スペース、学長室、学園長室、理事長室などが配されている。1階からも見えたハイサイドライトが塔屋の壁にバウンドして大きな照明のように働いている。
4つあるプロジェクトルームは全てガラス張りで、その前に学生の自習テーブルがある。これは大学と企業などとの会合、理事会など社会の働きを学生にも見てもらえるようにするためだ。
中央の吹き抜け。下が学生ラウンジ。
吹き抜けを取り囲むような執務スペース。
学長室もガラス張り。学長は本学の取り組みを牽引する大森昭生氏。地域とのコラボレーションプロジェクトを進めることで、大学・学生が地域に必要な存在となっていくことをより推進させていてく拠点となる建物として、学園創設130周年事業の集大成である本プロジェクトを実現させた。
「グリーンテラス」に面した職員用のリフレッシュスペースも吹き抜け。1階と2階のコミュニケーションが分断されることがない。
2階も対角に動線を通し、至る所に自習スペースが設けられていることが分かる。
様々な椅子があり気分を変えたり、お気に入りの椅子を探す楽しみもある。
左から赤松佳珠子さん、大村真也さん、担当のヤップ・ミンウェイさん
「大森学長のビジョンが非常に明確で、『こんなことがしたい』とう要望に、『ならばこういうのはどうですか』と設計サイドから次々と発展的な提案ができたとても幸せなプロジェクトでした。ゼミ室や講義室を飛び出して、学外でもシームレスに行われるこの大学の教育スタイルが、そのまま形となる建築ができたと思います。」と赤松さん
【共愛学園前橋国際大学5号館 KYOAI GLOCAL GATEWAY】
設計・監理:CAt (C+A Tokyo)
担当:赤松佳珠子、大村真也、ヤップ・ミンウェイ
構造設計:小西泰孝建築構造設計
設備設計:設備計画
施工:塚本建設
建築主:学校法人共愛学園

構造:S造
規模:地上2階建、敷地面積 39679.53 ㎡、建築面積 1597.67 ㎡、延床面積 2041.69 ㎡

共愛学園前橋国際大学:www.kyoai.ac.jp
 
Posted by Neoplus Sixten Inc.
 

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