「リナ・ボ・バルディ - ブラジルにもっとも愛された建築家」発行を祝う会

Lina Bo Bardi, Neoplus Sixten Inc.
29. 11月 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.
 

主催・会場はブラジル大使館。
2015年から16年に掛けてすぐ近くのワタリウム美術館で「リナ・ボ・バルディ展」が開催された。それがきっかけで今回の出版に繋がるのだが、この出版をブラジル大使館が是非祝いたいと、開催を申し出たという

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リナ・ボ・バルディは1914年ローマ生まれ、ローマ大学建築学部を卒業後ジオ・ポンティに師事、'46年にブラジルに移住、'51年ブラジル国籍を取得。独創的な作品を幾多手掛け、'92年に78歳で亡くなる。
 

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アンドレ・アラーニャ・コヘーア・ド・ラーゴ駐日ブラジル大使 [Mr. Andre Aranha Correa do Lago]。大使は建築に大変造詣が深く、リナがなぜ注目されるのが遅かったのか解説してくれた。

「ブラジルにはリオ学派と、サンパウロ学派と大きく二つの学派がある。'64年に軍事政権が誕生し、リオ学派が主流となった。ニーマイヤーはリオ学派だったため、広く報道され有名になったが、リナやパウロ・メンデス・ダ・ロシャらサンパウロ学派は報道される機会がなかった。ダ・ロシャはその後プリツカー賞を受賞したが、リナも生きているうちにもっと注目されれば間違いなくプリツカー賞を受賞していただろう。」

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記念トークも開催され、ワタリウム美術館館長の和多利恵津子さん(左)の進行で、実際ブラジルでリナの作品を訪れている妹島和世さん(中)、塚本由晴さん(右)が解説。
 

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〈リナ・ボ・バルディ - ブラジルにもっとも愛された建築家〉
内容を少し紹介。

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〈ガラスの家〉1951
ブラジルに移住して数年後に建てられた自邸。竣工時は周囲に木々のない新興住宅地だったが、60年経ちうっそうとした木々に囲まれている。
手前の斜面に白い池があるが、妹島さんはこの池のインスパイアされてMARUMARUチェアーをデザインしたそうだ。
 

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現在は記念館として見学可能で、展覧会などのイベントにも利用されている。
 

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〈サンパウロ美術館〉1968
宙に浮くことでピロティを人々が利用し、展示室からは外を行き交う人々と空間が重なり、街と建築が一体となる。
 

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美術館でありなから壁のない展示室。妹島さんは大好きだと言うが、自作にも影響があることを感じさせる。
 

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〈テアトロ・オフィシナ〉1989
軍事政権への抵抗を示していた劇団テアトロ・オフィシナのための劇場。

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9m×50mの細長い建物をリノベーション。鉄骨足場を組んだ垂直の観客席と路地のような舞台を持つ。塚本さんは「建物はこの地と一体となり、劇団員はこの建物と一体となりここに住むように活動している。ものすごいエネルギーを感じる建築。」と絶賛。

【リナ・ボ・バルディ - ブラジルにもっとも愛された建築家】
監修:和多利恵津子(ワタリウム美術館)
協力:リナ・ボ・バルディ財団
定価:本体4,300円+税
発行日:2017年11月22日
発行:TOTO出版(TOTO株式会社)
詳細:http://www.toto.co.jp/publishing/detail/A0369.htm

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