中村メンタルクリニック
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- 埼玉
- 年
- 2015
- 階数
- 1~5階
診察室・待合室・スタッフルームなど、クリニックの主要な7つの諸室を、7角形の部屋(パーソナルロビー)の周りに放射状に並べている。
窓に面した場所は診察室、エレベーターホールに近い場所は待合室、パイプスペースに近い場所はスタッフルームにするなど、7つの諸室は周辺環境や入居ビルの状況に応じて配置した。
パーソナルロビーはクリニック内の動線のハブであると同時に、7つの諸室同士のちょっとした緩衝帯にもなっている。例えば、診察室から出た途端に待合室の人たちと直面するのを防いだり、待合室から見て他人がどの部屋に向かったかを曖昧にする、といった効果を期待している。
パーソナルロビーの壁には緑化壁や曇りガラスを使い、緑や光をクリニックのあちこちから感じられるようにしている。また、床には少し毛足の長いカーペットを敷いて吸音させ、立ち入った人が一時だけ静けさを感じられるようにしている。
クリニックが入居しているフロアは駅前ロータリーに面したビルの5階で、東・南・西側への眺めが気持ちが良く、日当たりも十分にある。その恩恵が一番得られる窓際を診察室とし、閉じた空間で医者と患者が向き合う特有の緊張感を和らげようと試みている。
周辺環境や入居ビルの状況を生かし、プライバシーを守りながら、開放的で居心地のよいクリニックを作れないかと考えた。
-中佐昭夫-