新行政棟・文化庁移転施設

京都府京都市上京区, 2022

重奏する時間 この建築は京都御所の西側、厳しい景観規制を受ける場所に建つ。保存棟と新棟を合わせると、新町通に面するファサードは120mの長さになり、これはほとんど京都の一街区の大きさに等しい。したがってこの南北に長い建築のファサードは単体としての建築というよりは一街区の連...

四条大宮の集合住宅

京都府京都市下京区, 2022

京都のダウンタウン、阪急電鉄四条大宮駅の駅前広場とメインストリートである四条通のコーナーに面して建つ集合住宅の計画である。24時間交通量の多い四条通に面するためその騒音に溢れた環境に建つ住宅に、通常のマンションのようなバルコニーが必要なのかと考えるところから設計は始まった。...

西ノ京丘陵の家

奈良県奈良市, 2021

夫婦二人+子供という核家族のための住宅であり、奈良の郊外に建つ。 日常的に使用する自動車や趣味のための二輪車などの台数が多いため、前面道路に面しては駐車用のスペースが間口一杯まで必要になる。そのためファサードはその分だけセットバックし、1階の趣味室が大きく開放している以外は...

指扇の家

埼玉県さいたま市, 2021

東京の郊外、畑や離散して建つ建物が拡がるのどかな田園風景の中に建つ住宅である。最初にこの敷地を訪ねた時に唐突に思い出した風景がある。それはリチャード・ノイトラの1937年に竣工したストラスモア・アパートメントの写真、それも建築そのものではなくその背景の自然を思い出したのだ。...

紅葉ヶ丘の家

東京, 2019

東京郊外の住宅地に建つ住宅。 間口は狭くそれに比べると深い奥行き、さらに敷地の奥2/3では道路から約3m上がったところに地盤面があるという形状の敷地。したがって道路に面した階は地下階であり、そこから一層上がったところが地盤面で地上階、ペントハウスも含めると合計4層の住宅が起...

京都造形芸術大学 望天館

京都, 2019

京都造形芸術大学の前身は旧京都芸術短期大学であり1977年に創立された。その短大創立時の本部棟として建設されたのが、この建築と同じ場所に建っていた旧望天館であり、煉瓦タイルの外装が特徴的な三階建のその建築は過去の卒業生の記憶に現在でも鮮明に残っている。 学園創立時の旧望天館...

GLA中京会館

愛知, 2016

名古屋市中区に建つ集会施設である。主要地下鉄路線2本が交差する駅の上、北側の主要幹線道路と南側の生活道路の二面道路に面する約1500㎡の敷地に建つ。一つの建物でありながら、北側の主要幹線道路からは600席超のキャパシティのホールを持つ集会施設としての顔、逆の南側道路からは地...

山野井の家

兵庫, 2014

姫路城の近く、姫路城の鎮守社である男山八幡宮の傍に建つ住宅。 既に子供達が自立したご夫婦のための住まいであり、これまでの都市郊外での3世代同居から夫婦2人だけの生活へ、というライフスタイルの変化に対応する住宅である。したがって、趣味を中心とした2人だけの生活の...

GLA近畿会館

大阪, 2013

大阪郊外に建つ集会施設であり、敷地は2本の前面道路に面している。 南側は大都市郊外の交通量の多い主要幹線道路に面し、24時間自動車が溢れている典型的な大都市郊外の風景、それに反して北側は静かな住宅地域を抜ける細い道路に面してごく日常の生活空間が広がっており、ま...

KIT HOUSE

京都, 2010

この建物は60年以上の歴史のある大学、京都工芸繊維大学のキャンパス中央に建てられる学生会館であり、1階に食堂、2階にブックショップとコンビニエンス・ストアが入る。 キャンパスの中央に建つため、キャンパス内の景観上のコンテクストを読み取り、その延長上でありながら...

House in Freiburg

フライブルク, Allemagne, 2008

この住宅は南ドイツ某都市郊外の緩やかな東斜面で、渓谷とワイン畑を見下ろす敷地に計画中の物であり、3つの寝室、小さなオフィス、それに屋外プールを持つ1家族住宅である。  最下階にパーキングとオフィス、中間階に各寝室や畳敷きのメディテーションルーム、最上階にリビン...

GLASHAUS

大阪, 2007

敷地は大阪の真中にあり、北側は大阪都心の貴重な自然である靱公園に面する。設計は敷地から決まる最大限のボリュームをまず確保し、その内部に法的に許される限りの床面積を挿入するところから始めた。検討の結果、高さ方向には余裕があること、それに水平方向にも外部空間を取り入れる余裕があ...

ライカ銀座

東京, 2006

ライカ銀座店は時代と共に変化するライカカメラ世界初の直営旗艦店です。ショップを写真愛好家のためだけの空間ではなく、ごく当たり前の普通の都市空間としたい、散歩の途中でお店に気付きふと入ってみたくなるような、そこで写真の魅力を知り、そして最後にライカカメラに出会う事になるという...

子午線ライン明石船客ターミナル

兵庫, 2003

明石海峡大橋という新しい交通インフラの完成後、淡路島と明石を結ぶ船舶の路線はその在り方の見直しを求められている。このターミナルはそうした路線の一つである明淡高速船が建て替えを計画したものであり、淡路島を結ぶ路線を積極的にコミュニティーのための通勤通学の足とすると同時に、新し...

HU-TONG HOUSE

西日本, 2002

中国の客家の住宅のひとつを訪ねたとき、その中庭を「街」streetや「巷」laneと呼んでいるのを見て驚いたことがある。中庭という空間は、外部とは切れたプライベートな空間だと思っていた。ところがそれに公共空間としての名前が付いていることに驚いたのだ。そこでようやく、客家の人...

和歌山の家

和歌山, 2002

「坪庭」は「自然」のメタファーとしての外部空間である。建築の外部として存在する「自然」が建築の内部に、ミクロコスモスとして飼い慣らされた形で導入される。 この住宅の中庭では「自然」をそれとは違った形で導入したいと考えた。そこにあるのは一本の樹と、抽象的な水平面...

山口大学医学部創立50周年記念会館

山口, 1997

この建物は山口大学医学部の設立50周年記念事業として、同窓生・卒業生が大学のキャンパスの中に記念会館として建設し、最終的には大学に寄付されるべく計画されたものである。従ってこの建物は同窓会館として卒業生に再会の場を提供するだけではなく、医学の最先端のテーマを討論する学術集会...

日本橋の家

大阪, 1992

「日本橋の家」は大阪の下町、極小の敷地に建つ住宅である。敷地一杯の間口2.5m、奥行13mの建物の1階から3階までの階高は可能な限り低く抑え、逆に最上階は建物全体の約2/3を天井高6mのダイニング・ルームとし、残りの奥1/3をテラス、屋外空間としている。その結果この建物は間...