Y-HOUSE

千葉県
Architectes
空間研究所/篠原聡子
Lieu
千葉県
Année
1996

計画地の真ん中には築100年の農家があり、これがこの敷地の母屋である。田舎の昔の家だから南側の日当たりの良いところに12畳、10畳、10畳の続き間があって、冠婚葬祭用に当てられていた。人が集まるのには良いが、家族の居住スペースはすべて北向きで狭くて、とうとう誰も住まなくなった。まず今回の建主夫婦の母が小さな別棟を建て、次に若夫婦の家が建てられることになった。ただし今回の家は離れというだけでなく、母屋のもっていた機能(つまり人の集まれる空間を持つこと)を一部引き受けることになった。
ひとつには親族が集まるような機会が多いため、もう一つは妻がピアニストで小さなコンサートを家で開くためである。

2スパンのスチールフレームが12.5m×14.5mの場を緩やかに規定し、ガラスのスクリーンと木の壁面が必要な内部空間を囲い取る。結果,フレーム内に内部外部の空間が交差する。さらに外内(居間)・外(中庭)・内(和室)を隔てる建具がすべて開け放て、連続した空間となる。その連続性は単に視覚的な連続性に止まらず、建具の開閉によって、人々の様々な行為を誘導する。この地の穏やかな気候の中で内外を交互に配した空間は、折々に人々が集い、生活に大きな楽しみを与えるだろう。母屋の続き間がすべての建具を取り払うとパッと晴れやかな空間になり、また板戸を夏障子に取り替えたとたんサッと夏が部屋に呼び込まれたような感動は、ひとえに建具という単純な装置によるものである。
そんな母屋の空間の仕掛けをこの住宅は引き継いでいる。

幅90センチの扉で都市と接する現代の家は、プライバシーが高く快適だったはずなのにいつしか家庭の檻に思えて息苦しい。それは外との接点の持ち方が貧しいからではないか。
そう考えてみると、田舎の続き間の軟らかな構成がとても面白く見えてきた。そこにあったような様々な人と出会う、季節と出会う仕掛けを住宅の中に取り戻せないだろうか。
この住宅の設計に際して一番に考えたことである。

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