U・T

Takeshi Hirobe
8. abril 2020
All Photo by Neoplus Sixten Inc.
比較的ゆったりした敷地にL字型の建物を北西に寄せ、南側に陽射しがたっぷり降り注ぐ庭を持つ。
玄関を上がると、様々な表情を持つ変化のある動線が現れる。正面はDK、右はリビングへ。
刷毛引きされたシラス壁と、床はウォルナット。
大開口で庭に面したDK。キッチンの奥は広めの家事室兼パントリーで、ダイニングの奥へも通じている。
ダイニングから見返す。左奥に見えるのはリビング、あえて離して配置する事で、広い中間領域であるテラスや中庭といった外部空間が生まれ、内外で違った楽しみ方ができるように計画した。
“廊下” や “階段室” といった用途を限定するような動線部ではなく、それぞれゆとりを持たせることで “居場所” となっている。
階段下はこのような居場所で、地窓により採光と抜けがあるため閉塞感はない。垂れ壁のように設えた格子の手摺は、後ほど分かるが2階の手摺と呼応する関係に。
リビングはダイニングなどとは距離を取り独立しているが、中庭を介し互いの気配を感じ取ることができる。
照明を点けるとこのように。この住宅では全て機能や説明の付くデザインばかりでなく、「意図的にカタチを与えていった。」と言う廣部さん。ダイニングとは視覚的には一体的となりながらも、空間的にも意匠的にも切り離し、リビングならではの過ごし方ができるよう演出した。
2階には3つの個室とバルコニー、水廻り、そして “ラウンジ” を配した。
“ラウンジ” と呼ぶフリースペースは奥さま所望の居場所。家事動線の中心にあり、家事の合間に読書をしたり、小さなお子さんと一緒に過ごしたりする行為を受けとめる場。
ラウンジは、廊下や向かいの開放可能な個室、そしてバルコニーと曖昧な境界によって一体となっている。寝るため、或いは風呂に入るためだけではなく積極的に使える2階だ。
ラウンジにはシェルフやエアコンも。奥は水廻りで、洗面、洗濯室と続き、、
外にはプランターを置ける小さなバルコニーが付く浴室へとシームレスに連続する。
主寝室は独立した雰囲気だが、ドアを開け放つと北側の開口の外まで抜けが確保される。
廣部剛司さん。「人の生活を受けとめる居場所をつくる要素は、決して面積の広さだけではありません。光の分布や素材感、モノとモノが交わるときのディテール、包み込むスペースの空間ボリュームなどの要素が関わっていくものです。ここには、その一つ一つを工事中も含めたあらゆるステージで検証しながら歩んでいった軌跡が刻まれています。」
【U・T】
設計監理:廣部剛司建築研究所
構造設計:構造設計工房デルタ
施工:山菱工務店

用途:専用住宅
構造・規模:木造2階建て
面積:敷地面積199.57m2、建築面積86.50m2、延床面積155.72m2。

Posted by Neoplus Sixten Inc.

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