52間の縁側

千葉県, 2022

建築によって忘れてしまったものを思い出す 「52間の縁側」は、高齢者のためのデイサービスである。クライアントの石井さんは、認知症などシリアスな問題を抱えていたとしても、ありのままその人らしい日常の暮らしを送れる介護を実践してきた。この計画では、認知症や障害があっても、さら...

新富士のホスピス

静岡, 2020

地域医療の拠点となる、末期がん患者とその家族のためのホスピスである。 この施設は、病院と在宅の中間のような役割を担うため、末期癌患者の緩和ケアに加えて、患者の家族や友人とゆっくり過ごすことができる住まいのようなホスピスを考えた。つまり病院特有の「孤立」ではなく、日常と地続き...

熱海の茶房

静岡, 2019

計画は60㎡ほどの小さな建築で、仕事をリタイアしたご夫婦が営む茶房である。 敷地は、来宮神社から急な坂を登ってしばらくのところにある。斜面地を敷地分だけ削り取られ、その環境は暴力的に感じられた。しかしながら、奥行きの長い敷地には、奥に向かってわずかに勾配があったり、敷地に沿...

千客万来の住まい

神奈川, 2019

小さな都市としての家 敷地は葉山の山側に位置し、緑豊かで穏やかな地域コミュニティを感じられる場所である。両親や兄弟、また多くの友人たちが住んでいるこの土地は、建主にとって特別な場所だった。それゆえに、新しい住宅を家族や友人たちが集う「千客万来の住まい」として、この土地の記憶...

SPA&HOTEL水春

京都, 2018

クライアントは、これまで多くの温浴施設を展開されてきており、今回の計画では、主要事業である温浴機能に、スパやフィットネス、レストラン、ホテル事業を加えた初の複合施設の計画である。私たちは、デザインアーキテクトとして参画し、従来の温浴施設の主目的である癒しを楽しむ施設から、日...

ビジョンパーク

兵庫, 2018

病院に、遊びに行こう。 ビジョンパークは、診療から研究・治療、臨床応用・リハビリまで行う神戸アイセンターのエントランスであり、公園のように様々な人々が行き交う場所として構想された。 ここで求められるものは、目に障がいのある人々が一人ではないことを実感でき、生きることに勇気...

FAN JAPAN SHOP

クアラルンプール, Malaysia, 2015

クアラルンプールの商業施設にある日本の伝統工芸品を販売する店舗である。 外側の通路からは、物販部分の什器はポイントで照射され、影のある物販スペース。その奥に物販とカフェを分ける格子のスクリーン。カフェの背後にある錫箔の壁面を均一に照らされた最も明るい面。 そのと...

レソノ

東京, 2014

週に一回通えるヘアサロンがメインコンセプトである。過当競争の激しいヘアサロンにおいて明確なコンセプトが重要であることは言うまでもない。デザインテイストやサービスの幅で訴求するのではなく、暮らしに寄り添うことをテーマに据えたことがこの店舗のユニークなところだと...

未完の住まい

千葉, 2014

暮らしながら必要な器が変わっていくことは、設計をするうえでは厄介なことだが、生活することの楽しみを持ち続けることでもある。ご主人の職業柄収納しきれない洋服と、奥様の趣味であるキッチン雑貨、パン作り機器、ミシン。この先も彼らの居住空間は人生を楽しくさせてくれるモノで満たさ...

さやのもとクリニック

佐賀, 2014

佐賀市にある認知症を主とした心療内科の診療所の計画である。このクリニックでは、患者とその家族が病気とつきあっていくための「学び」の場所として、待合いスペースを設えた。認知症を扱う場合に、患者本人とドクターの関わり合いでは不十分であり、必然的に家族も病気とつきあっていかな...

はくすい保育園

千葉, 2014

この保育園は千葉県佐倉市にある定員60名の計画である。 隣地で特別養護老人ホームを営む社会福祉法人誠友会が事業主として計画が進められた。計画は「保育園は大きな家である」という考えに基づいている。 周囲を山林に囲まれた敷地は南に緩やかに傾斜しており、それをそのまま...

銀座のオフィスビル

東京, 2013

クライアントは、銀座で1913年から商売をしている老舗料亭のオーナーである。銀座には、食べること、遊ぶこと、買い物をすることに作法があるという。クライアントが、言った一言が印象深い。「中国人の観光客が増えようが、アパレルのファスト店が増えようが、腐っても銀座だよ。」 ...

糸満漁民食堂

沖縄, 2013

沖縄糸満に計画された糸満漁民食堂は、食を通じて地域の伝統や文化を残し、伝えることを目的として創られたレストランである。かつて沖縄の漁民が琉球石灰岩を手積みで自分たちの漁場を作ったように、この計画も「石積みワークショップ」を開催して、関係者と地域住民の手によって構築できる...

銀座の宝石店

東京, 2011

物販店は商品を売るためにスピードや時代性を加速させるためのデザインが求められる。   クライアントが求めたものは、お客様にとって好きな宝石との出会いの場であった。デザインは、そのスピードを少しでも遅らせるために用いた。   時間が止まったような空間、色の...

庭の中の家

千葉, 2008

広い庭の中に住むような住宅である。庭のなかを散歩しながら、料理をしたり、本を読んだり、お風呂に入ったり・・・そんな感覚を呼び起こすのである。計画は敷地形状と周辺環境を最大限に活かせるように、5つの門型をずらしてつなげる細長い構成とした。   5つの門型のうち2つ...