NUNOを率いる須藤玲子による展覧会「こいのぼりなう! 」展レポート/国立新美術館

Neoplus Sixten Inc.
11. April 2018
Photo by Neoplus Sixten Inc.
 

オリジナル・テキスタイルを提供し建築家との協働でも知られるNUNO。ディレクター兼デザイナーとして活躍している須藤玲子とフランスの展示デザイナーのアドリアン・ガルデールのコラボレーションは、2008年のジョン・F・ケネディ舞台芸術センター(ワシントン)、2014年のギメ東洋美術館(パリ)についで3回目。
 

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今回の東京でのインスタレーションでは新たにライゾマティクスの齋藤精一が加わった。
 

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国立新美術館の最も大きい展示室(2000m2、天井高8m)のほぼ全体を使って設置されているのは約300匹のテキスタイルこいのぼり。デザインにはNUNOのメンバーが参加し、色柄は一つ一つ異なる。日本各地を巡って職人の手によって仕上げられた布ばかりだ。
 

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会場に入ると一瞬どのように見ていけばよいか迷うが、エントランスの白い鯉のぼりの群れに沿って歩けば、その姿は少しずつ色味と鮮やかさを増し、中心で8の字を描くように一回りして、最後黒い一群が出口へと導いてくれる。
 

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群れの流れが交差する部分。
 

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輪の中へ
 

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輪の中心部には大きめのクッションが用意されており、鯉のぼりが泳ぐ姿を座りながらゆったり眺めることができる。
 

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見上げると、齋藤精一(ライゾマティクス)による軽やかな布、照明、ファン、を用いた水の中にいるような演出。
「布の雰囲気を大事にしたかったので、敢えてプロジェクションはしませんでした。展示室に入っても最初は気づかれないくらいの存在感を目指しました」と齋藤氏。
 

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鯉のぼりは頭上を泳いでいるものもあれば目線の高さにくる鯉のぼりも。しっかり布のドレープや質感までも感じることができる。
 

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静止しているインスタレーションだが、300以上の音源を用いたというsoftpadによるサウンドが会場を包み、布の揺らぎと呼応しながら、あたかも水中にいるような幻想的な世界を生み出している。
 

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会場奥の部屋では、布を製造する工程を撮影した映像や、鯉のぼりに使われている319種類の布を手に取ったり、ミニこいのぼり作りを体験するコーナーも用意されている。
 

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卓上サイズのこいのぼりなう!も購入できる。

【こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション】
 
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
会期:2018年4月11日(水)〜5月28日(月)
詳細:http://www.nact.jp/exhibition_special/2018/koinoborinow2018/

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