長崎辰哉による我孫子の住宅「眺望の段床」

Neoplus Sixten Inc.
4. d’abril 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積319m2、建築面積66m2、延床面積100m2。木造2階建て。
接道から20m以上ある細いアプローチ、そこから1m程の段差があり、右に大きく湾曲しながらさらに1m以上の段差。かつ左手前と右奥が崖という難易度の高い敷地。

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敷地の奥から見ると敷地の湾曲に合わせ建物も折れ曲がっているのが分かる。しかし敷地奥は南面から緑地が望め、傾斜地で高くなっている分隣家の屋根上に視線が抜けるなどのメリットを施主は気に入った。

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崖(擁壁)に負荷がかからないよう基礎を出来るだけ小さくしながら、建物のボリュームをせり出して容積を確保。

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玄関床はモルタル。右に納戸、左に水回り、正面にキッチン、ダイニングと続く。

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キッチンとダイニング。ダイニングがちょうど折れ曲がる場所。

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ダイニングから先は1.3m程スキップしてリビングへ。
蓄熱式床暖房を採用してあり、ワンルーム空間ながら柔らかな暖かさが全体を包み込む。「断熱性能には自信があります。」と長崎さん。

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ダイニングはひとつの部屋のように囲われており、ちょっと贅沢で落ち着く雰囲気だ。敷地の特徴を利用した工夫。

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リビング側は吹き抜け。

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と、階段に脚を載せたところで慣れない感覚が、、、見ると踏面のすべり止めに細かい仕事がしてあり、滑りにくくなっていた。大工さんが提案してくれたそうで、角材を単に接着しただけでなく掘った溝にはめ込んであるとのこと。

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リビングは1.5層の吹き抜け。折れ曲がりながら続く現しの架構と各室が空間に変化をもたらしている。

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南に面したリビングはハイサイドライトも設け、緑地の木々を借景として最大限に利用できるようにしている。

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2階へ。各室の納め方を苦心した様子が伺えるが、結果単調にならない個性的なエリアが幾つも生まれている。

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 コーナー窓の部屋は、グラフィックデザイナーであるご主人のアトリエ。

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階段を上がるとちょっとしたフリーペースで、洗面台、トイレ、ロフト、廊下、寝室、アトリエの “溜まり” になっている。

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アトリエは管制塔かコクピットのような雰囲気。緑地が見え、目を休めることができるので仕事がしやすそうだ。引越の前だが、仕事場だけ先に移したご主人。

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ロフトから。当初はストレートなボリュームも検討したが十分な容積が得られないことや、せっかくの緑地に面する南側に庭が取りにくい事などで断念。もう一度敷地に素直に向き合うことで環境を自然なかたちで受け入れられる建物になった。
また二人のお子さんにとってこのように構造が見える家は、建築というものを理解する原体験となるだろう。

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 長崎辰哉さん。「困難な敷地形状を活かし、地形をトレースした段床が折り畳まれて、住まい自体が新たな地形となるような、スキップ状のワンルームとして建築全体を計画しました。コンパクトな空間に凝縮された、屋外や室内を結ぶ様々な眺望や段床の連なりが、魅力的なシークエンスを生み出し、日々の暮らしを豊かに彩ることを目指した建築です。」

【眺望の段床】
設計監理:アトリエハレトケ(長崎辰哉、池田俊)
構造設計:坪井宏嗣構造設計事務所
設備協力:ビーイー・リンク
施工監理:かしの木建設

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