保坂猛による台東区の住宅「窓辺のバルコニー」

Neoplus Sixten Inc.
10. de gener 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積77m2、建築面積48m2、延床面積73m2。木造2階建て。
白い箱型のボリュームから、南側に軒のように突き出しているのはカーポートと小さなバルコニー。ぽっかりと開いた窓から脚や顔が覗いている。

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北側にも窓が二つ。手摺は周辺の住宅がつくり出す路地の風景に馴染むデザインとした。

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カーポートを高くすると新しい外部空間が生まれた。
見慣れない高さのカーポートは目の当たりにするとかなりの迫力だが、高透明なポリカーボネート屋根のおかげで次第に見慣れてくる。

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正面に回ると大小の引戸が並ぶ。右が玄関で、左は勝手口。勝手口は直ぐキッチンなので家にダイレクトに入れる雰囲気のためなのか、皆そこから出入りしてしまう。

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玄関を入るとバイクラックに2台のロードバイク。

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玄関を入ると驚いた。(人が立っている位置が玄関)奥から振り返って撮ったカットだが、部屋の中にバルコニーが幾つもあるのだ。

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玄関上の「寝室バルコニー」から全貌を。左が「子供室バルコニー」、正面が「客間バルコニー」、右上「ちょいとお前さんバルコニー」、右「フリーバルコニー」。
当初、大きな箱の中にいくつかの箱をレイアウトして検討していたが、窮屈で無理が出てきてしまった。オープンな性格の施主夫妻は「家の中で特にプライバシーは求めない」との一言で、思い切って各箱を開いてみた。そのままでは空間性が出ないので上に庇をつけることでエリアが確立され、同時に益々バルコニーのようになり、写真のようにご近所さんがバルコニー越しに会話をするような下町の路地風景が屋内に生み出された。

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キッチン。勝手口の引戸を開けるとご覧のように縁側に早変わり。

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キッチンの上から。右が「寝室バルコニー」。

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振り返ると “本当の” バルコニーへ。物干しに使うが、周囲を見るといくつものバルコニーが。向かいは施主の親戚宅とのことで、実際にバルコニー越しのご近所付き合いが発生するはずだ。

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「フリーバルコニー」へ。バルコニーは全てタイル張りで屋外感を演出している。窓の外には道路や車が見えるのに、バルコニーは内側にあるという妙な光景だ。このバルコニーは掃き出し窓なので、最初の写真のよう脚を投げ出すことができる。

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振り返ると向かいに「子供室バルコニー」と、その下は水回り。

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「客間バルコニー」。奥に一人分の就寝スペースを設けた。下は書棚と勉強机。上は「ちょいとお前さんバルコニー」。

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右を見るとこのように。保坂さん(左)とお施主さん(右)。
施主ははじめ、ハウスメーカーや工務店に依頼したがあまりぱっとしなかったという。そこで以前から気になっていた保坂さんに思い切って相談したところこのような提案が出て大満足だそうだ。

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「ちょいとお前さんバルコニー」。座ってちょうどいい高さ25cmに肘を掛け、ビールを飲みながら路地を眺め、ご近所の幼なじみが通ったら「ちょいとお前さん!血相変えてどこ行くんだい!?」といった具合に声を掛けるとか掛けないとか。
上部はトップライトであり、屋上への出入り口。隅田川の花火が眺められるそうだ。

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「ちょいとお前さんバルコニー」から。
ちなみにプロジェクトの英名は「Juliet House」とのこと。家中でロミオとジュリエットごっこができる。

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「お施主さんはこの地元で生まれ育った方です。親戚や幼なじみ、古くからの知り合いが多く住む下町の雰囲気を何とか建物に取り込めるよう試みました。住宅密集地ですが幸い角地なので窓辺の気持ち良さを各所に散りばめました。季節や陽の位置によって気持ちの良い場所が変わるので、好みに合わせて色々なバルコニーで過ごしてもらえると思います。」と保坂猛さん。

【窓辺のバルコニー】
設計・監理:保坂猛建築都市設計事務所/担当:保坂猛、保坂恵
構造設計:なわけんジム/名和研二
施工:航洋建設

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