MARU。architectureによる大田区の「二重窓の集合住宅」

Neoplus Sixten Inc.
10. d’abril 2017
Photo by Neoplus Sixten Inc.

敷地面積108m2、建築面積75m2、延床面積420m2。RC造、地上6階。13住戸の共同住宅。

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敷地は大型車の交通量も非常に多い環状七号線(環七)に面しているため、住空間として騒音に対する配慮が求められる。

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そこで、躯体を壁式ラーメンで構築し、一層バッファーを設けてから内側に居住スペースを入れ、外殻に守られたような格好にした。その他の工夫は進めながら紹介。

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ファサードは左官仕上げ。

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エントランス。左に駐輪スペース。

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駐輪場の洗い出し仕上げがエントランスに連続し、外を内に誘導している。

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洗い出し部分は外構から流れ込んできたような砕石に置き換わり、こちらでも外と内の連続性を表現。この砕石部分にはプランターで植栽が置かれる予定。

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1階住戸。5階以外、20m2程のワンルーム。

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開口部はこのように。外側の開口は腰壁が立ち上がり、室内の開口より狭くなっている。

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腰壁、二重サッシュという騒音に対する物理的なものと、さらに隙間や内壁の白とは差を付けたシルバーの壁といった感覚的なものによる複数のバッファーで、道路からの距離をとっているのだ。腰壁はもちろん外部からの視線を遮る役目もある。

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隙間を見上げると各階グレーチングが嵌められていた。また三角ということからも分かるように、敷地境界にあわせた斜めのファサードに、矩形の住戸が3列に雁行しながら並んでいる。

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2階。隣家から「完全に塞がなくてもいいので少し目隠しが欲しい」との要請で有孔折板で軽く視線を遮った。

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2階住戸。先ほどの1階より腰壁が低くなっている。

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キッチンや水回りは単身向けのシンプルなもの。

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3階住戸。腰壁はさらに低く、幅も少しずつ広くなり、それにつれ外光も多く入ってくる。

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3階になると道路との距離が随分と離れてきた。構造壁の厚さは315mm、内側に向かってテーパーがつけられている。

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4階住戸。腰壁は殆どない。壁式ラーメンなので高い梁成が現れている。

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5階へ。(もちろんエレベーターも備わっている)

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5階は二住戸で、北側斜線に掛かりセットバックしたので、引きが取れることから2面の開口を設けた。

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床面積にも算入される広めの出窓が縁側のように気持ちいい。

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5階のもう一つはメゾネットで、写真は6階の様子。こちらも北側がセットバックするので出窓を設えた。

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2人以上の住まいを想定してキッチンも広め。

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腰壁と呼べるものは無くなり、サッシュとほぼ同サイズの開口になった。道路も随分離れている。

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高野洋平さんと、森田祥子さん。「お施主さんからは、この環七からの圧力をうまく逃がせるよう求められました。当然位置的には環七から下げられませんので、バッファーを取ったり、色彩や質などで環境を受け止めつつ、少しずつ居室への距離を取りました。ここに建つ住宅としてどのようなことができるか丁寧に考えて設計しました。」

【二重窓の集合住宅】
設計監理:高野洋平+森田祥子/MARU。architecture
構造設計:坂田涼太郎構造設計事務所
設備設計:EOS plus
施工:神興建設

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